生理前になると、いつもの透明や乳白色のおりものとは違う、茶色っぽいおりものが出ることがあります。「これって生理が始まるサイン?」「もしかして何か病気なの?」「妊娠の可能性はある…?」など、いつもと違う身体の変化に気づくと、不安になったり、色々な可能性を考えて心配になったりしますよね。インターネットで情報を集めてみても、色々な意見があって、かえって混乱してしまうこともあるかもしれません。
この記事は、そうしたあなたの不安な気持ちに寄り添いながら、生理前の茶色いおりものについて、医学的な観点から分かりやすく解説します。この記事を読めば、なぜ茶色いおりものが出るのか、どんな場合は心配ないのか、そして、どんな症状の時には注意が必要なのかが明確になります。そして、ご自身の身体の状態を正しく理解し、これからどうすれば良いのか(様子見で良いのか、それとも婦人科を受診すべきか)を判断するための具体的な目安が分かります。
この記事は医師監修のもと作成されており、信頼できる情報を提供することを目指しています。ぜひ最後までお読みいただき、このデリケートな悩みに対する正しい知識を身につけて、少しでも安心して毎日を過ごせるようになることを願っています。
生理前の茶色いおりもの、まずはここを知って安心しよう(正常なケース)
生理前の茶色いおりものは、多くの女性が経験する比較的よくある症状です。まずは、心配のいらないケースについて理解しましょう。
なぜ生理前に茶色いおりものが出るの?仕組みを解説
おりものとは、子宮や膣からの分泌物で、女性の身体の健康を保つために重要な役割を果たしています。おりものの色や性状は、女性ホルモンの影響を受け、生理周期によって変化します。
茶色いおりものの正体は、ごく少量の血液がおりものと混ざり、時間が経って酸化したものです。 赤い鮮血ではなく、茶色っぽいのは、出血してから時間が経ち、血液の色素(ヘモグロビン)が変化したためです。
生理が始まる前、子宮内膜は厚みを増し、妊娠の準備をします。妊娠しなかった場合、この子宮内膜は剥がれ落ち、生理として排出されます。生理が始まる直前には、子宮内膜が剥がれ始める過程で、ごく少量の出血が起こることがあります。この少量の古い血液がおりものと混ざり合うことで、茶色いおりものとして出てくるのです。
生理前に茶色いおりものだけが出るのは、このように生理の始まりに向けて子宮内でごく少量の出血が起こり、それが一度にまとまって出ずに、おりものと混ざりながらゆっくりと排出されているためと考えられます。
生理前の茶色いおりもの、何日くらいなら大丈夫?目安期間
生理前の茶色いおりものが、生理の始まりを示すサインである場合、一般的に生理予定日の数日前から始まり、生理が始まるまでの1~3日程度で終わることが多いです。
量についても、ナプキンにはつかない、下着に少量つく程度のごく少量であることがほとんどです。生理が近づくにつれて、茶色っぽい色が少し濃くなったり、量がわずかに増えたりすることもありますが、生理のようにまとまった量が出るわけではありません。
生理予定日の直前に始まり、量がごく少量で、生理開始とともに終わるような茶色いおりものは、多くの場合は生理的なものであり、過度に心配する必要はありません。これは、これから生理が始まる身体の自然な変化である可能性が高いでしょう。
ここまで、生理前に見られる茶色いおりもので、多くの場合は心配ないケースについて解説しました。次に、生理前以外のタイミングでの茶色いおりものについて見ていきましょう。
生理前以外でも見られる茶色いおりものとは?
茶色いおりものは、生理前以外にも特定の生理周期の時期に見られることがあります。それぞれの時期の特徴を知っておきましょう。
排卵期に出る茶色いおりもの(排卵期出血)
生理と生理のちょうど中間あたり、排卵期に少量の出血が見られることがあります。これを排卵期出血と呼びます。排卵期には、卵胞が破裂して卵子が飛び出す際に少量の出血が起こったり、ホルモンバランスが一時的に大きく変動することで子宮内膜が不安定になったりするために起こると考えられています。
この排卵期出血がおりものと混ざることで、茶色いおりものとして見られることがあります。排卵期出血の特徴としては、一般的に生理と生理の間の、生理開始から10日~14日頃に起こり、2~3日程度で終わることが多いです。出血量もごく少量で、腹痛を伴うこともありますが、ほとんどの場合は心配のない生理的な現象です。
生理後いつまで続く?茶色いおりものが長引く場合
生理が終わったと思ったのに、まだ茶色いおりものが少量続くという経験はありませんか? これは、生理の終わりかけに、子宮内に残っていた古い経血が少量ずつ排出され、おりものと混ざって出てくるためです。
生理後の茶色いおりものは、生理が完全に終わってから数日程度(1週間以内が目安)続くことがあります。体質によって長引く場合もありますが、量がごく少量で、次第に減っていくようであれば、ほとんどの場合は心配いりません。
ただし、生理が終わってから1週間以上経っても茶色いおりものが続く場合や、量が増えてくる、鮮血が混じる、他の症状を伴うといった場合は、注意が必要です。
生理周期の中で、特定の時期に茶色いおりものが見られるのは生理的な現象であることが分かりました。しかし、注意が必要な場合もあります。次のセクションで詳しく見ていきましょう。
【要注意】こんな生理前の茶色いおりものには注意が必要!考えられる原因と危険なサイン
多くの場合は心配ない生理前の茶色いおりものですが、中には注意が必要なケースもあります。ご自身の症状と照らし合わせながら確認してみてください。
茶色いおりもの+他の症状がある場合
茶色いおりものに加えて、以下のような症状がある場合は、何らかの異常があるサインかもしれません。
- 腹痛や腰痛がある: 生理痛とは異なる強い痛みや、普段はない腹痛・腰痛を伴う場合。
- 発熱がある: おりものの変化とともに体温が上昇している場合。
- かゆみ、痛みがある: 膣の周辺にかゆみやヒリヒリとした痛みを感じる場合。
- おりものに異臭がある: 普段のおりものとは違う、魚のような生臭い匂いや腐敗したような強い匂いを感じる場合。
- おりものの性状がいつもと違う: 茶色いだけでなく、ベタベタしている、ポロポロとした塊状、泡状など、普段と明らかに異なる性状の場合。
- 出血量が多い、鮮血が混じる: 茶色いおりものの量が増えたり、次第に鮮やかな赤色の血が混じるようになったりした場合。
- 茶色いおりものが長く続く、生理がこない: 生理予定日を過ぎても茶色いおりものだけが少量続き、生理が始まらない場合。(これは妊娠の可能性やホルモンバランスの大きな乱れ、病気の可能性も考えられます)
これらの複合的な症状は、感染症や炎症、その他の婦人科疾患のサインである可能性があります。
茶色いおりものが「続く」「長引く」場合
生理予定日の直前に少量出る茶色いおりものは生理の始まりのサインとして心配ないことが多いですが、以下のような場合は注意が必要です。
- 生理予定日を過ぎても茶色いおりものが続く: 生理が来ずに、茶色いおりものだけが何日も続く場合。
- 普段の生理前の茶色いおりものより明らかに長く続く: これまで1~2日で終わっていたものが、5日以上続くなど。
- 生理後も茶色いおりものが長引く: 生理終了後、1週間以上経っても少量または中程度の量の茶色いおりものが続く場合。
期間が長い場合は、子宮や卵巣に何らかの異常がある可能性も考えられます。
考えられる病気・疾患の可能性
上記のような注意すべき症状がある場合や茶色いおりものが長引く場合に、可能性がある主な病気や疾患には以下のようなものがあります。これらの病気は、自己判断せずに必ず医師の診断が必要です。
- 子宮頸管ポリープ: 子宮頸管にできる良性の突起物。多くは無症状ですが、性交渉後などに少量の出血が見られることがあります。
- 子宮筋腫: 子宮の筋肉にできる良性のこぶ。大きさやできる場所によっては、不正出血(生理と関係ない出血)や過多月経、生理痛などを引き起こすことがあります。
- 子宮内膜症: 子宮内膜に似た組織が子宮以外の場所(卵巣、腹膜など)で増殖する病気。生理痛がひどくなったり、不正出血が見られたりすることがあります。
- 感染症(膣炎、子宮頸管炎、子宮内膜炎など): 細菌やウイルスなどによって、膣や子宮に炎症が起こる病気。おりものの色や量、匂いが変化したり、かゆみ、痛み、発熱、腹痛などを伴ったりすることがあります。
- ホルモンバランスの大きな乱れ: ストレスや急激な体重変化などが原因でホルモンバランスが大きく乱れると、不正出血として茶色いおりものが見られることがあります。無排卵周期になっている可能性もあります。
- その他: まれではありますが、子宮頸がんや子宮体がんなどの初期症状として不正出血が見られることもあります。早期発見・早期治療が非常に大切です。
これらの病気は、医師の診察や検査(内診、超音波検査、細胞診など)によって診断されます。不安な症状がある場合は、一人で悩まず専門家の意見を聞くことが大切です。次に、もう一つ読者が気にしている可能性、「妊娠」について見ていきましょう。
妊娠初期のサイン?着床出血と生理前の茶色いおりものの違い
生理前の茶色いおりものが出ると、「もしかして妊娠?」と期待や不安を感じる方もいらっしゃるかもしれません。妊娠初期に見られる「着床出血」について解説します。
着床出血とは?いつ頃起こる?
着床出血とは、受精卵が子宮内膜に潜り込む(着床する)際に、子宮内膜の毛細血管が傷つき、ごく少量の出血が起こる現象です。すべての妊婦さんに起こるわけではなく、起こる人の割合は2割程度と言われています。
着床出血が起こる時期は、受精卵が着床するタイミング、つまり生理予定日頃から生理予定日を少し過ぎた頃にあたることが多いです。
生理前の茶色いおりものと着床出血の見分け方
生理前の茶色いおりものと着床出血は、どちらも生理予定日頃に少量の出血が見られるという点で似ていますが、以下のような違いで見分けるヒントになることがあります。
特徴 | 生理前の茶色いおりもの(生理の始まり) | 着床出血 |
---|---|---|
時期 | 生理予定日の数日前(1~3日前が多い) | 生理予定日頃~少し過ぎた頃 |
色 | 茶色~赤褐色(古い血液の色) | ピンク色、茶色、赤色など |
量 | ごく少量(下着に少しつく程度) | ごく少量(下着に少しつく程度、ナプキン不要) |
期間 | 1~3日程度 | 数時間~2~3日程度 |
他の症状 | 特になし、または軽い生理前の症状 | 腹痛(軽い生理痛のような感じ)、つわり、胸の張りなど妊娠超初期症状を伴うことがある |
ただし、これらの特徴だけで正確に区別することは非常に難しいです。茶色いおりものが出ている時期に妊娠の可能性がある場合(避妊せずに性交渉があったなど)は、生理予定日から1週間程度経っても生理が来ない場合に、妊娠検査薬を試してみるのが最も確実です。妊娠検査薬で陽性が出た場合は、速やかに産婦人科を受診しましょう。
妊娠の可能性が気になる場合は、焦らず適切に判断することが大切です。次に、病気や妊娠以外で茶色いおりものが出る原因について見ていきましょう。
病気・妊娠以外でも生理前に茶色いおりものが出る原因は?
茶色いおりものは、病気や妊娠以外にも、日常的な要因で起こることがあります。心当たりがないか確認してみましょう。
ホルモンバランスの乱れ
女性ホルモン(エストロゲンとプロゲステロン)のバランスは、生理周期をコントロールするだけでなく、おりものの状態にも影響を与えます。強いストレスや過労、睡眠不足、急激なダイエット、過度な運動などは、ホルモンバランスを一時的に乱す原因となります。
ホルモンバランスが乱れると、生理周期が不安定になったり、排卵がうまくいかなくなったりすることがあります。その結果、生理ではない時期に不正出血として茶色いおりものが見られることがあります。「おりもの 茶色 ストレス」というキーワードで検索する方がいるように、ストレスはホルモンバランスに大きく影響するため、茶色いおりものの原因の一つとなることは十分に考えられます。
その他の原因
- 婦人科系の検査後: 子宮頸がん検診や内診、超音波検査などで子宮頸部を刺激した後に、少量の出血があり、それが茶色いおりものとして出てくることがあります。
- 性交渉後: 性交渉の刺激によって、子宮頸部や膣の粘膜が少し傷つき、少量の出血が起こることがあります。これも時間が経つと茶色く見えることがあります。
- 低用量ピルの服用: 低用量ピルの服用を開始したばかりの頃や、種類を変更した際に、身体が慣れるまでの間、不正出血(出血パターン異常)として茶色いおりものが見られることがあります。これは一時的なことがほとんどですが、続く場合は医師に相談が必要です。
日常的な原因でも茶色いおりものが出ることがあるんですね。もし原因がよく分からない場合や、続く場合は、やはり一度専門家にご相談いただくのが一番安心です。次のセクションでは、受診の目安について詳しくお伝えします。
こんな時は迷わず婦人科へ!茶色いおりもので受診を検討すべき目安
「病院に行くべきか、様子見で良いのか…」と迷っているあなたへ。ご自身の状態をチェックし、受診を検討する目安を知りましょう。
チェックリスト:あなたの茶色いおりものは受診が必要?
以下の項目に当てはまる場合は、積極的に婦人科受診を検討すべきサインです。
- 茶色いおりものが普段より明らかに長く続く(例:5日以上続く、生理予定日を過ぎても続く)
- 出血量が次第に増えたり、鮮血が混じるようになったりした
- 腹痛や腰痛、発熱など、他のつらい症状がある
- おりものに異臭がする、かゆみや痛みを伴う
- おりものの色がいつもと全く違う(鮮やかな赤、灰色、緑色など)
- おりものの性状が明らかに異常(ベタベタとした塊状、ポロポロ、泡状など)
- 閉経後なのに出血があった(不正出血は閉経後の方にとって重要なサインです)
- 性交渉後に毎回出血する
- 基礎体温をつけていて、普段と明らかに違うパターンが見られる
- 妊娠の可能性がある
- とにかく不安で安心したい (症状自体が軽度でも、不安な気持ちが強い場合は、専門家に相談することで安心が得られます)
病院に行くべきか判断に迷ったら
上記のチェックリストに当てはまらなくても、「やっぱり気になる」「このまま様子を見ていて大丈夫か心配」と感じる場合は、迷わず専門家である婦人科医に相談することが最善です。
早期に受診することで、病気が見つかった場合でも早期発見・早期治療に繋がりますし、何も異常がなければ「心配いりませんよ」という医師の言葉で安心することができます。あなたの健康が第一です。勇気を出して一歩踏み出しましょう。
受診を決意したあなたへ。次に、初めて婦人科を受診する際の疑問や不安を解消するための情報をお届けします。
初めてでも大丈夫!茶色いおりものを婦人科で相談する前に知りたいこと
婦人科受診は少し勇気がいるかもしれません。でも大丈夫、事前に準備しておけばスムーズに相談できます。
何科を受診すればいい?
女性特有の身体の悩みや症状については、婦人科を受診しましょう。
受診時に医師に伝えるべきこと
問診で聞かれる可能性のある項目と、事前に整理しておくと良い情報を具体的にリストアップします。メモしていくと安心です。
- 茶色いおりものが出始めた時期: 生理予定日の何日前か、いつ頃から気づいたか。
- 茶色いおりものが出ている期間: 何日続いているか、断続的に出ているか。
- 量、色、匂い、性状: おりものの量(少量か多めか)、色の変化(茶色から赤くなったなど)、いつもと違う匂いの有無、べたべたしているか、塊状かなど、具体的に伝える。
- 他の症状の有無: 腹痛、発熱、かゆみ、痛み、腰痛、吐き気など、他に気になる症状があるか。
- 最終月経日: 最後に生理が始まった日。
- 生理周期: 生理周期は安定しているか、普段の期間や量と比較してどうか。
- 妊娠の可能性: 避妊せずに性交渉があったかなど。
- 既往歴: これまでにかかった大きな病気、婦人科系の病気。
- 服用中の薬: ピル、その他の処方薬、市販薬、サプリメントなど。
- アレルギー:
- 心配なこと、不安なこと: 症状について特に不安に思っていることや、医師に聞きたいこと。
これらの情報を整理しておくと、診察がスムーズに進み、医師も正確な診断がしやすくなります。
診察では何をする?
茶色いおりものの原因を調べるために、以下のような診察や検査が行われることがあります。
- 問診: 症状や生理の状況、既往歴などを詳しく聞かれます。
- 内診: 子宮や卵巣の状態を視診・触診します。抵抗があるかもしれませんが、多くの婦人科医は患者さんの不安に配慮して丁寧に行います。
- 経腟超音波検査: 膣の中に細い器具を入れて、子宮や卵巣を画像で確認します。筋腫や卵巣嚢腫などが見つかることがあります。痛みはほとんどありません。
- 細胞診: 必要に応じて、子宮頸部などから細胞を採取し、顕微鏡で調べます(子宮頸がん検診など)。
- おりもの検査: おりものを採取し、感染症の原因菌などを調べます。
- 血液検査: ホルモンバランスなどを調べる場合があります。
身体のデリケートなことなので、医師に正直に、具体的に伝えることが正確な診断に繋がります。安心して受診してくださいね。
みんなの体験談は?生理前の茶色いおりものに関するQ&A
「これって私だけ?」「みんなはどうしているの?」そんな疑問や共感を求めているあなたへ。ここでは、生理前の茶色いおりものに関するよくある質問に、医学的な観点からお答えします。
よくある質問Q&A(医師監修)
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Q. 生理前に茶色いおりものだけが出るのはなぜですか?
A. 生理が始まる直前に、厚くなった子宮内膜が剥がれ始める過程で、ごく少量の出血が起こることがあります。この少量の古い血液がおりものと混ざり、時間とともに酸化して茶色く見えます。まとまった生理の前に、ゆっくりと少量ずつ排出されている状態と考えられます。
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Q. 茶色いおりもの 生理前 何日間なら心配ない?
A. 個人差がありますが、一般的には生理予定日の1~3日前から始まり、生理開始とともに終わる場合が多いです。期間が3日以内で、量がごく少量(下着に少しつく程度でナプキンが不要なレベル)であれば、生理的な現象である可能性が高いです。ただし、普段と比べて明らかに期間が長い、量が多い、他の症状を伴う場合は注意が必要です。
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Q. おりものが茶色になるのは生理の何日前からが普通ですか?
A. 最も多いのは生理予定日の1~3日前ですが、人によっては4~5日前から始まることもあります。これも個人差やその時の体調によって変動します。重要なのは、普段の自分のパターンと比較してどうか、他の気になる症状はないか、という点です。
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Q. 茶色いおりものが続いて、生理がこないのはなぜですか?妊娠の可能性は?
A. 生理予定日を過ぎても茶色いおりものだけが続く場合、まず妊娠の可能性が考えられます(着床出血など)。また、ホルモンバランスの乱れ(ストレスや体調不良など)によって生理が遅れていたり、不正出血として茶色いおりものが出ていたりすることもあります。稀に、子宮や卵巣の病気が原因となっている可能性も否定できません。生理予定日から1週間以上経っても生理が来ない場合は、妊娠検査薬を試すか、婦人科を受診して原因を調べてもらいましょう。
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Q. ストレスで茶色いおりものが出ることってあるの?
A. はい、あります。強いストレスや過労、急激な環境の変化などは、女性ホルモンのバランスを乱す大きな原因となります。ホルモンバランスが乱れると、排卵がうまくいかなかったり、子宮内膜が不安定になったりして、不正出血として茶色いおりものが見られることがあります。心身の不調がある場合は、ストレスも原因の一つとして考えられます。
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Q. 生理後の茶色いおりものが長引くのは大丈夫?
A. 生理の終わりかけに、残った古い経血が少量ずつ出ることで、生理後数日(1週間以内)茶色いおりものが続くことはよくあります。しかし、生理終了から1週間以上経っても茶色いおりものが続く場合や、量が増える、鮮血が混じる、その他の症状(腹痛、異臭など)を伴う場合は、子宮に炎症が起こっていたり、ホルモンバランスの回復が遅れていたりなど、何らかの異常がある可能性も考えられます。長引く場合は一度婦人科を受診しましょう。
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Q. おりものが茶色くてベタベタするのは何か異常?
A. 生理周期によっておりものの性状は変化します。排卵期にはサラサラとした透明のおりものが増え、生理前には水分が減ってベタベタしたり、ネバネバしたりすることがあります。生理前の茶色いおりものが少しベタベタしていても、それだけで直ちに異常とは言えません。しかし、茶色くてベタベタしている上に、強い異臭やかゆみ、痛みなどを伴う場合は、細菌性膣症などの感染症の可能性も考えられます。他の症状と合わせて判断し、気になる場合は受診しましょう。
他の人の疑問や体験を知ることで、少しでも気持ちが楽になったり、参考になったりすれば幸いです。
まとめ
生理前の茶色いおりものは、多くの女性が経験する比較的よくある症状であり、その多くは生理の始まりを示す生理的な現象です。生理予定日の1~3日前から始まり、量がごく少量で、生理開始とともに終わる場合は、過度に心配する必要はありません。また、排卵期や生理後など、生理周期の特定の時期に茶色いおりものが見られることも、多くは生理的な現象です。
しかし、茶色いおりものが長く続く、量が多い、鮮血が混じる、腹痛や発熱を伴う、異臭がする、べたべたなど性状が明らかに異常、生理がこないなどの症状がある場合は、注意が必要です。これらの症状は、感染症や子宮、卵巣の病気のサインである可能性も考えられます。
妊娠の可能性がある時期に茶色いおりものが出た場合は、着床出血の可能性も考えられますが、症状だけで正確に判断することは難しいです。また、ホルモンバランスの乱れ(ストレスなど)や、婦人科の検査後、性交渉後なども茶色いおりものの原因となることがあります。
もし今日の記事を読んで、あなたの症状が「注意が必要かも」と感じたり、「とにかく不安で安心したい」と思ったりした場合は、迷わず婦人科を受診しましょう。自分の身体の変化に気づき、向き合おうとしているあなたの行動は素晴らしいことです。早期発見・早期治療が大切な場合もありますし、何も異常がなくても専門家の言葉を聞くことで心が軽くなります。
もし症状が軽度で様子見で良いと感じた場合でも、ご自身の生理周期やおりものの変化を記録しておくことをおすすめします。これは、万が一将来的に症状が悪化したり、別の症状が現れたりした場合に、医師に正確な情報を伝える上で非常に役立ちます。
一人で抱え込まず、不安な時はいつでも専門家を頼ってください。あなたの健康が第一です。どうかご自身の身体を大切にしてください。
【免責事項】
本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の疾患の診断や治療法を示すものではありません。個々の症状については、必ず医療機関で医師の診断を受けるようにしてください。本記事の情報に基づいて発生したいかなる結果についても、当方では一切の責任を負いかねます。