生理中に血の塊が出ると、「これって大丈夫なの?」と不安になる方は多いでしょう。
血の塊は多くの場合、子宮内膜がはがれ落ちる際にできる自然な生理現象ですが、その大きさや回数によってはホルモンバランスの乱れや子宮の病気が隠れていることもあります。
とくに、レバー状の大きな塊が頻繁に出る、生理の量が多い、期間が長引くといった症状がある場合は、注意が必要です。
この記事では、生理中に血の塊が出る原因と正常・異常の見分け方、病気の可能性や受診の目安までをわかりやすく解説します。
「血の塊が出るのは普通?」「病院に行くべき?」と悩む方は、この記事を参考に自分の体のサインを見直してみましょう。
生理中に血の塊が出るのは普通?
生理中の血の塊は、多くの人に見られる現象であり、必ずしも異常を意味するわけではありません。
子宮内膜が剥がれ落ちる過程で血液や内膜片、凝固因子が混ざり合い、レバー状の塊として排出されることがあります。
一方で、塊の大きさが極端に大きい、頻度が高い、出血量が多い、貧血や強い痛みを伴うといった場合は、過多月経や子宮筋腫、子宮内膜症などが背景にある可能性もあります。
まずは正常の範囲と注意が必要なサインを知り、記録をつけながら自分のパターンを把握することが大切です。
- 経血の仕組みと血の塊の正体
- 正常なおりもの・経血との違い
- 血の塊が出やすい人の特徴
以下で、それぞれのポイントを詳しく解説していきます。
経血の仕組みと血の塊の正体
経血は、妊娠が成立しなかった周期に厚くなった子宮内膜が剥がれ落ち、血液とともに体外に排出される現象です。
通常は子宮内で血液をサラサラに保つための線溶(フィブリン分解)が働き、塊になりにくい状態で排出されます。
しかし、出血量が多い、子宮口が狭い、排出までに時間がかかるなどの条件が重なると、血液中のフィブリンが固まって凝血塊(血の塊)が形成されやすくなります。
この塊は主に血液と内膜の破片から成り、見た目がレバー状で柔らかいのが特徴です。
大きさは米粒程度から数センチまで個人差があり、出るタイミングも生理2〜3日目の多い日に集中することがよくあります。
一時的に塊が出るだけで、全身症状がなく、出血がその後落ち着くようであれば生理的範囲のことが少なくありません。
ただし、短時間でナプキンを何度も替えるほどの出血や、立てないほどの痛み・ふらつき・動悸がある場合は、早めの受診が安心です。
正常なおりもの・経血との違い
おりもの(頸管粘液)は、無色透明〜乳白色でにおいが強くなく、粘性がありながらも水分を含むのが一般的です。
これに対して血の塊は、色が濃い赤〜暗赤色で、押しつぶすと繊維状にほぐれるなど、粒子感や繊維感がある点が異なります。
正常の経血はサラサラ〜やや粘稠で、小さなゼリー状の塊が混じることはありますが、強い悪臭や黄緑色、灰色を帯びることは通常ありません。
もし悪臭が強い、色が黄緑・灰色、泡立つ、強いかゆみや発熱を伴う場合は、感染症や炎症が疑われます。
また、茶色〜黒っぽい色は古い血液が混ざっているサインで、生理の始まりや終わりに見られることがあります。
判断に迷う場合は、塊の大きさ・回数・色・におい、出血量、使用ナプキンの交換頻度、併発症状をメモして受診時に共有すると診断がスムーズです。
普段の経血パターンと比べて「明らかに違う」と感じる変化が継続する場合は、早めの相談を検討しましょう。
血の塊が出やすい人の特徴
まず、経血量が多い(過多月経)人は、子宮内で血液が滞留しやすく、塊が形成されやすい傾向があります。
子宮筋腫や子宮腺筋症、子宮内膜症、子宮内ポリープなどの子宮疾患がある場合も、出血量の増加や排出機序の変化により塊が出やすくなります。
また、子宮口が狭い、血行不良(冷え)、ストレス・睡眠不足、肥満や急激な減量など、ホルモンバランスや血流に影響する要因も関与します。
ピルの中断・切り替え、抗凝固薬・鎮痛薬の使用状況、出産直後や流産後など子宮回復期も、経血性状が一時的に変化して塊が出やすくなることがあります。
加えて、鉄欠乏性貧血があると血液の粘稠度や全身のだるさが増し、過多月経と相互に悪循環を起こすケースが見られます。
「毎周期、大きな塊が何度も出る」「ナプキンが1時間もたない」「強い痛みやふらつきを伴う」といった場合は、早めに婦人科で評価を受けることが望ましいです。
生活記録とともに適切な検査を行うことで、原因の切り分けと対策が立てやすくなります。
生理中に血の塊が出る主な原因
生理中の血の塊は、子宮内膜の剥離と血液の凝固・分解バランスが関わるため、多くの場合は生理的な範囲に収まります。
一方で、塊が大きい・頻度が高い・出血量が非常に多い・強い痛みやめまいを伴うなどのサインがある場合は、背景にホルモンバランスの乱れや子宮の疾患、生活要因が関与している可能性があります。
ここでは、血の塊が出る代表的な要因を「自然な現象」「血流・ホルモン」「冷え・ストレス」「薬剤影響」に分けて整理し、セルフチェックの視点を提供します。
子宮内膜の剥がれによる自然な現象
生理は、妊娠が成立しなかった周期に厚くなった子宮内膜が剥がれ、血液と混ざって体外へ排出される仕組みです。
通常、子宮内では血液をサラサラに保つ線溶(フィブリン分解)が働くため、経血は大きな塊になりにくい状態で流れます。
しかし、生理2〜3日目など出血が多い日に、排出までの時間が長引く・子宮口が狭い・体位や動作で一時的に滞留する、といった条件が重なると、血液中のフィブリンが絡み合って凝血塊(レバー状の塊)が形成されやすくなります。
米粒〜1〜2cm程度の柔らかい塊が時折出る、強い悪臭や発熱がない、出血がその後落ち着く——といったケースは生理的範囲であることが少なくありません。
ただし、短時間でナプキンを何度も替える過多月経や、ふらつき・動悸・顔面蒼白などの貧血症状がある場合は、自然現象の枠を超えている可能性があるため注意が必要です。
血流やホルモンバランスの影響
血の塊は、子宮内の血流や全身のホルモンバランスの影響を強く受けます。
エストロゲンが優位な周期では子宮内膜が厚くなり、周期によっては経血量が増えて塊が出やすくなることがあります。
一方、黄体ホルモン(プロゲステロン)の変動が大きいと、内膜の剥がれ方や血液の粘稠性に影響して、ゼリー状の固まりが混じることがあります。
また、子宮筋腫・子宮腺筋症・子宮内膜症・内膜ポリープなどがあると、内膜表面が不整になり、経血が滞留して塊化しやすくなります。
これらは「塊が大きい」「頻繁に出る」「経血量が明らかに多い」「期間が長引く」といったパターンを伴いやすく、超音波検査などでの評価が推奨されます。
冷え・ストレス・生活リズムの乱れ
冷えや慢性的なストレス、不規則な睡眠・食事は、自律神経とホルモン分泌のバランスを崩し、子宮・骨盤内の血流を低下させる要因です。
血流が悪いと子宮腔内で経血が一時的に滞留し、排出時に凝血塊として出やすくなります。
さらに、長時間同じ姿勢・運動不足・体を締め付ける衣服・水分不足なども粘稠度を高め、塊の形成に関与します。
対策として、下半身を温める衣類選び、ぬるめの入浴、軽い有酸素運動、鉄分やビタミンB群・Eを含む食事、就寝前のデジタルデトックスなどが有効です。
生活を整えても3周期以上大きな塊が続く、もしくは悪化する場合は、生活要因だけでなく器質的要因の精査が望まれます。
ピルや薬の影響による一時的な変化
低用量ピルの開始・切り替え・中断直後や、緊急避妊薬の使用後には、ホルモン環境の急な変化で内膜の剥がれ方が不規則になり、塊が見られることがあります。
また、抗凝固薬・一部の鎮痛薬・漢方など服薬状況により、血液の凝固・線溶バランスが変化して経血性状が変わることがあります。
産後・流産後・子宮内操作後の回復期も、一時的に内膜再生が不安定で塊が出やすくなります。
これらの変化は多くが一過性ですが、大量出血・強い腹痛・発熱・悪臭を伴う場合は感染や他のトラブルの可能性があるため、速やかな受診が必要です。
服薬歴や開始時期、症状の推移をメモして医師に伝えると、原因の切り分けと対応がスムーズになります。
注意が必要な血の塊の特徴と病気の可能性
生理中の血の塊は、ほとんどの場合は正常な生理現象ですが、塊の大きさや出る頻度、体調の変化によっては注意が必要なケースもあります。
特に「塊が大きい」「頻繁に出る」「痛みや貧血を伴う」といった場合は、子宮の病気やホルモンの異常が原因になっている可能性があります。
ここでは、医療機関の受診を検討すべき血の塊の特徴と、考えられる病気のサインについて詳しく解説します。
- 大きい・頻繁に出る場合は要注意
- 子宮筋腫・子宮内膜症・ポリープの可能性
- 生理痛・貧血・めまいを伴う場合
- 妊娠初期・流産による出血との違い
血の塊の大きさ・回数・色の変化を記録しておくことで、受診時の診断がより正確になります。
大きい・頻繁に出る場合は要注意
米粒ほどの小さな塊であれば生理的な範囲ですが、1cm以上の大きな塊が頻繁に出る場合は注意が必要です。
経血量が多く、ナプキンを1〜2時間ごとに替えなければならない状態が続く場合は、過多月経や子宮内のトラブルが隠れている可能性があります。
血液が子宮内で滞留しやすくなると、フィブリン(血液凝固物質)が固まって塊になりやすくなります。
特に、生理が長引く・レバー状の大きな塊が何度も出る・強い痛みを伴う場合は、自然な生理現象ではないことが多いです。
このような状態が2〜3周期以上続く場合は、婦人科での超音波検査を受けて、子宮や卵巣の状態を確認することが大切です。
子宮筋腫・子宮内膜症・ポリープの可能性
血の塊が多い・大きい・頻繁に出る場合、背景に子宮の疾患があることも少なくありません。
代表的なものに子宮筋腫、子宮内膜症、子宮内ポリープがあります。
子宮筋腫は子宮にできる良性腫瘍で、内膜を圧迫することで経血の流れが滞り、血液が塊となって排出されます。
子宮内膜症では、子宮以外の場所に内膜組織が発生し、強い痛みや出血量の増加を伴うのが特徴です。
ポリープは内膜にできる小さな突起で、出血が長引いたり不正出血が起きたりすることがあります。
いずれも早期の段階では軽度の症状しか出ないため、定期的な婦人科検診での発見が重要です。
これらの病気が疑われる場合は、経膣エコー検査・ホルモン検査・MRIなどで診断を行い、必要に応じて薬物療法や手術で治療します。
生理痛・貧血・めまいを伴う場合
血の塊に加えて強い生理痛・めまい・倦怠感・貧血症状がある場合は、過多月経による鉄分不足が考えられます。
大量出血が続くと体内の鉄分が失われ、赤血球が減少して鉄欠乏性貧血を引き起こすことがあります。
貧血が進むと、動悸・息切れ・頭痛・集中力低下などの全身症状が現れ、日常生活にも支障をきたします。
また、強い痛みを伴う場合は子宮腺筋症などの病気が隠れていることもあります。
鎮痛剤で一時的に和らぐ場合でも、痛みが周期的に悪化している・血の塊が増えているなどの変化があるときは、放置せず検査を受けましょう。
早めに治療することで、将来的な貧血や体力低下を防ぐことができます。
妊娠初期・流産による出血との違い
妊娠初期でも、まれに血の塊を伴う出血が起こることがあります。
妊娠初期の軽い出血(着床出血)は1〜2日で収まり、量も少ないのが特徴です。
しかし、レバー状の大きな塊や鮮血が多く出る、痛みが強い、体温が下がるなどの場合は、初期流産や子宮外妊娠の可能性があります。
流産の出血は経血よりも量が多く、子宮内容物が排出される際に強い腹痛を伴うことが多いです。
妊娠の可能性がある人は、自己判断せず、できるだけ早く医療機関で診察を受けましょう。
妊娠検査薬で陽性反応が出ている場合や、生理予定日を過ぎても出血が続く場合は、産婦人科での超音波検査が必要です。
生理と見分けがつかないケースもあるため、体の異変を感じたら「いつもの生理」と思い込まずに確認を行うことが大切です。
血の塊が出るときのセルフチェックポイント
生理中に血の塊が出ると、「これは大丈夫なのかな?」と不安になる方も多いでしょう。
しかし、塊の性状や頻度、経血量を正しく把握しておくことで、異常の早期発見につながります。
自己判断では見落としがちなサインも、客観的な記録を残すことで、婦人科受診時に正確な情報として活用できます。
ここでは、自宅でできるセルフチェックのポイントを具体的に紹介します。
- 塊の大きさ・色・回数を記録しよう
- 経血量が多い・長引くときの目安
- いつ婦人科を受診すべきかの判断基準
毎回の生理をなんとなく過ごすのではなく、体の変化を観察・記録する習慣が健康管理の第一歩になります。
塊の大きさ・色・回数を記録しよう
血の塊が出たときは、その大きさ・色・回数・タイミングをできるだけ詳しく記録しましょう。
塊の大きさが米粒〜1cm程度で、1〜2個出る程度なら多くは生理的な範囲です。
しかし、2cm以上の大きな塊が複数回出る、または生理中ずっと続く場合は注意が必要です。
色についても、鮮やかな赤や暗赤色は正常範囲ですが、茶色・黒っぽい・灰色などの場合は古い血液や感染が関係している可能性があります。
メモやスマホアプリで「何日目に・どんな大きさ・どのくらいの量だったか」を残しておくと、次回以降の比較にも役立ちます。
医師に相談するときにも、こうした記録があると診断がスムーズに進みます。
経血量が多い・長引くときの目安
血の塊とともに経血量が多い・生理が長引くといった症状がある場合は、過多月経の可能性があります。
ナプキンを2時間以内に替える必要がある、夜用ナプキンを使用しても漏れる、経血が7日以上続くなどが目安です。
また、経血量が急に増えたり、生理周期が乱れたりした場合もホルモンバランスの変化や子宮の異常が考えられます。
血の塊が多い=必ず病気というわけではありませんが、貧血・疲労感・頭痛など全身症状がある場合は、出血による鉄分不足を疑う必要があります。
普段より出血が重く感じるときは、我慢せず体を休めると同時に、婦人科での検査を検討しましょう。
いつ婦人科を受診すべきかの判断基準
生理中の血の塊は、多くの場合は自然な現象ですが、次のような場合は医療機関の受診をおすすめします。
・レバー状の大きな塊が毎回出る
・出血量が多く、ナプキンが2時間もたない
・強い下腹部痛や腰痛、貧血、めまいを伴う
・出血が8日以上続く、または不正出血がある
・色やにおいが普段と違う(悪臭・黄緑・灰色など)
これらの症状は、子宮筋腫・子宮内膜症・ホルモン異常などのサインである可能性があります。
特に30代以降の女性は、ホルモン分泌の変化によってトラブルが増えやすい時期です。
「少し気になる」「いつもと違う」と感じたときに早めに受診することで、治療が軽く済むことも多いです。
無理をせず、体の小さな変化を見逃さないよう心がけましょう。
生理の血の塊を減らすための生活改善法
生理中に血の塊が出やすい体質は、日常生活の見直しによって改善できることがあります。
子宮や血流、ホルモンバランスは生活リズムと深く関係しており、体を整えることで生理の状態も安定しやすくなります。
ここでは、血の塊を減らすために意識したい生活習慣のポイントを具体的に紹介します。
- 体を温めて血流を促す(冷え対策)
- ホルモンバランスを整える生活習慣
- ストレス緩和と睡眠の質を高める
- 鉄分・ビタミンを含む食事で貧血予防
無理なダイエットやストレスの多い生活を続けていると、ホルモンの乱れや冷えが悪化し、塊が出やすくなることもあります。
日々の小さな工夫で、血の巡りとホルモンのバランスを整えていきましょう。
体を温めて血流を促す(冷え対策)
冷えは子宮や骨盤周りの血流を滞らせ、経血の排出を妨げる大きな要因の一つです。
血液がスムーズに流れないと、子宮内で滞留し、固まって血の塊として排出されやすくなります。
冷たい飲み物や生野菜ばかりの食事を避け、温かいスープやしょうが・ねぎ・にんじんなどの体を温める食材を意識して摂りましょう。
また、靴下の重ね履きや腹巻き、湯船にゆっくり浸かるなどの温活習慣も効果的です。
下半身の血流を良くするストレッチや軽いウォーキングを取り入れると、ホルモンや代謝の働きも整いやすくなります。
ホルモンバランスを整える生活習慣
ホルモンバランスの乱れは、経血量や子宮内膜の厚さに直接影響し、血の塊が増える原因になることがあります。
不規則な生活や睡眠不足、過度なダイエット、極端なストレスはエストロゲンとプロゲステロンの分泌を不安定にします。
毎日同じ時間に起きて食事をとり、1日3食を意識するなど、生活のリズムを整えることが大切です。
また、カフェインやアルコールの摂りすぎもホルモンバランスに悪影響を及ぼすため、控えめにしましょう。
ホルモンを整えるには、栄養・運動・休息のバランスが重要です。
体の周期を意識し、自分のリズムに合ったライフスタイルを心がけましょう。
ストレス緩和と睡眠の質を高める
精神的なストレスや睡眠不足は、自律神経を乱し、女性ホルモンの分泌に悪影響を与えます。
特に、生理周期をコントロールしている脳の「視床下部」はストレスの影響を受けやすく、ホルモンバランスが崩れると血流の滞りや子宮機能の低下を招きます。
夜更かしを避け、22時〜翌2時の「成長ホルモン分泌タイム」にしっかり眠ることで、体の回復力が高まります。
また、アロマやハーブティー、深呼吸、軽いストレッチなど、自分に合ったリラックス習慣を持つことも効果的です。
睡眠の質を高めることは、ホルモンや血流を整えるための基本です。
ストレスをため込みやすい人は、日記やメモで気持ちを言語化するのもおすすめです。
鉄分・ビタミンを含む食事で貧血予防
血の塊が出やすい人の中には、同時に貧血を起こしているケースも少なくありません。
経血量が多い状態が続くと、体内の鉄分が不足し、酸素を運ぶ赤血球が減少して疲れやすくなります。
貧血を予防するためには、鉄分・ビタミンB群・ビタミンCを意識して摂ることが大切です。
鉄分はレバー・赤身肉・ひじき・ほうれん草に多く含まれ、ビタミンCを一緒に摂ると吸収率が高まります。
また、ビタミンEやオメガ3脂肪酸を含むナッツ類・青魚などは血流改善にも役立ちます。
過多月経が続く場合は、サプリメントや医師の指導による鉄剤の補給を検討しましょう。
栄養バランスを整えることで、血の塊を減らすだけでなく、体全体の代謝や免疫力も向上します。
病院で行う検査・治療の流れ
生理中に血の塊が頻繁に出る、経血量が多い、強い痛みを伴うなどの症状がある場合は、婦人科での検査を受けることが大切です。
病院では、問診から超音波検査、必要に応じて血液検査やホルモン検査を行い、原因に応じた治療方針を決めていきます。
ここでは、婦人科での一般的な検査・治療の流れと、治療を受けるタイミングの目安について詳しく紹介します。
- 婦人科での問診と超音波検査
- 子宮筋腫・内膜症の治療方法
- ホルモン療法・ピルの処方について
- 治療を受けるタイミングと目安
早めに受診して原因を明確にすることで、重症化を防ぎ、症状の改善につなげることができます。
婦人科での問診と超音波検査
まず最初に行われるのは問診です。
生理周期・経血量・血の塊の大きさや頻度・痛みの有無・出血期間などを医師が丁寧に確認します。
次に行うのが経膣超音波検査(エコー)で、子宮や卵巣の状態を画像で確認します。
この検査では、子宮筋腫・子宮内膜症・子宮ポリープなどの有無をチェックでき、短時間で痛みもほとんどありません。
必要に応じて、血液検査でホルモンバランスや貧血の有無を調べることもあります。
問診時に月経周期や症状の記録を持参すると、診断がよりスムーズに進みます。
子宮筋腫・内膜症の治療方法
血の塊が多く出る原因として多いのが、子宮筋腫や子宮内膜症などの子宮疾患です。
これらはホルモンの影響で進行するため、症状の程度によって治療方針が異なります。
軽度であれば経過観察を行い、生活習慣の改善やホルモン療法で症状をコントロールします。
中等度以上の筋腫・内膜症の場合は、ホルモン抑制薬によって月経を一時的に止め、内膜を薄く保つ方法が取られます。
重症化している場合や筋腫が大きい場合は、子宮筋腫摘出術や子宮内膜掻爬(そうは)手術が検討されることもあります。
いずれも患者の年齢・妊娠希望の有無・生活の支障度に合わせて最適な方法が選ばれます。
ホルモン療法・ピルの処方について
ホルモン療法や低用量ピルは、血の塊を減らすための有効な治療のひとつです。
ピルはエストロゲンとプロゲステロンの量を一定に保つことで、子宮内膜の過剰な増殖を防ぎ、経血量や痛みを抑えます。
また、黄体ホルモン剤(プロゲステロン)を使用することで、排卵やホルモン分泌を調整し、月経周期を安定させる効果があります。
ホルモン療法は、症状の重さや副作用のリスクを考慮しながら、医師の指導のもとで行われます。
自己判断で中止したり市販薬を併用したりすると、ホルモンバランスが乱れ、かえって症状が悪化することもあります。
定期的な通院と検査を続けることで、安全にコントロールすることが可能です。
治療を受けるタイミングと目安
血の塊が毎月出る・大きさが2cm以上・出血が多い・生理痛が強いなどの症状がある場合は、治療を検討するサインです。
また、貧血・めまい・強い疲労感があるときも、体が出血に耐えきれていない可能性があります。
生理の異常は「そのうち治る」と放置してしまいがちですが、早期発見・早期治療が最も効果的です。
特に、30代後半〜40代にかけてはホルモン変動が大きく、子宮筋腫や内膜症が進行しやすい時期でもあります。
「いつもより出血が多い」「レバー状の塊が増えた」「痛みが強くなった」と感じたら、迷わず受診を。
早めの検査で原因を特定し、適切な治療を行うことで、生理の質と日常生活の快適さを取り戻すことができます。
血の塊に関するよくある質問(FAQ)
Q1. 生理でレバーのような塊が出るのは病気?
生理中にレバーのような血の塊が出るのは、多くの場合子宮内膜が剥がれ落ちた正常な経過です。
経血が一時的に子宮内で滞留し、血液中のフィブリンが固まることで塊が形成されます。
ただし、塊の大きさが2cm以上ある、頻繁に出る、経血量が異常に多い、強い生理痛を伴うといった場合は、子宮筋腫・子宮内膜症などの病気が隠れている可能性があります。
一時的なものなら心配ありませんが、毎回続くようであれば婦人科での超音波検査を受けて確認するのが安心です。
Q2. 血の塊が大きいと不妊につながる?
血の塊があるからといって、必ずしも不妊の原因になるわけではありません。
しかし、子宮筋腫や子宮内膜症、子宮ポリープなどの病気が原因で血の塊が出ている場合、それが着床や排卵に影響を与えることがあります。
とくに、子宮の内膜環境が乱れていると受精卵が定着しにくくなることもあるため、妊娠を希望している場合は検査を受けておくと安心です。
原因が特定されれば、薬によるホルモン治療や生活改善で改善するケースも多くあります。
Q3. ピルを飲んでから血の塊が増えたのはなぜ?
低用量ピルを飲み始めた直後に血の塊が増えるのは、体が新しいホルモンバランスに慣れていないための一時的な反応であることが多いです。
ピルの服用初期には、子宮内膜が不安定になり、一時的に出血や塊が増えることがあります。
通常は数か月で体が順応し、経血量や塊の量も減っていきます。
ただし、3か月以上経っても症状が続く、出血量が多い、強い腹痛を伴う場合は、ピルの種類が合っていない可能性があります。
その場合は、医師に相談して別のピルへの切り替えや投薬内容の見直しを行うとよいでしょう。
Q4. 血の塊が出たあと生理が軽くなるのは問題ない?
血の塊が出たあとに経血量が減り、生理が軽く感じるのは、滞留していた血液や内膜が排出された結果であることが多く、基本的には問題ありません。
体が自然なリズムで血液を排出したことで、出血が落ち着いたサインと考えられます。
ただし、塊の排出時に強い痛みや多量出血がある場合、または生理が極端に短くなった場合は、ホルモンバランスや子宮環境に変化が起きている可能性があります。
周期の乱れや他の症状が続くときは、婦人科で相談するのがおすすめです。
Q5. 10代・閉経前に血の塊が多いのは異常?
10代や閉経前は、ホルモンバランスが不安定になりやすいため、血の塊が出ることがあります。
初潮から数年の間や閉経前の時期(40代後半〜50代)は、排卵のリズムが乱れやすく、内膜が厚くなりやすいのが原因です。
そのため、塊が出ること自体は一時的な現象で、病気ではないことがほとんどです。
ただし、出血が長く続く、貧血や強い生理痛を伴う場合は、子宮筋腫やホルモン異常の可能性もあるため注意が必要です。
年齢にかかわらず、「いつもと違う」「急に症状が変わった」と感じたときは、一度受診して状態を確認しておきましょう。
まとめ:生理の血の塊は「体のサイン」—無理せず早めの相談を
生理中の血の塊は、子宮内膜の自然な排出によるものがほとんどですが、頻度や大きさ、体調の変化によっては注意が必要なサインです。
過多月経や貧血、子宮の病気が背景にあるケースもあるため、「いつもより多い」「痛みが強い」と感じたら我慢せず婦人科へ。
塊の大きさ・色・回数を記録しておくと、診察時に正確な判断がしやすくなります。
体の変化はあなたの健康を知らせるメッセージです。
無理せず、早めに相談・ケアすることが健康な生理への第一歩となります。
