女性が寝ても寝ても眠い原因は「生理によるホルモンバランスの変化」?

「寝ても寝ても眠い…」と感じるとき、実はその原因の多くが生理周期によるホルモンバランスの変化にあります。

女性の体は、月経周期に合わせてエストロゲン(卵胞ホルモン)プロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌量が変化し、このバランスが睡眠の質や体のリズムに大きく影響しています。

特に生理前の黄体期はプロゲステロンが優位になり、体温が上がって眠気・だるさ・集中力の低下が起こりやすくなる時期です。

一方で、生活習慣や栄養の乱れ、ストレス、貧血などが重なると、ホルモン以外の要因でも強い眠気が続くことがあります。

この記事では、「女性が寝ても眠い」原因を生理周期別に解説し、ホルモンバランスを整えるための対策や受診の目安まで詳しく紹介します。

「どれだけ寝ても疲れが取れない」「生理前になると必ず眠い」という方は、ぜひ参考にしてください。

なぜ女性は「寝ても寝ても眠い」と感じるのか

女性が「寝ても寝ても眠い」と感じるのは、単なる疲労や睡眠不足ではなく、ホルモンバランスの変化自律神経の乱れが関係していることが多いです。

特に生理周期の前後では、体内の女性ホルモン(エストロゲン・プロゲステロン)の分泌量が大きく変動し、睡眠の質や体温、代謝に影響を与えます。

このホルモン変化に体が追いつかないと、十分な睡眠時間をとっても「眠気が抜けない」「だるい」「集中できない」と感じやすくなります。

さらに、ストレスや生活リズムの乱れも加わると、自律神経の働きが乱れ、昼夜のリズムが崩れてしまうこともあります。

ここでは、女性が慢性的に眠気を感じる理由を、ホルモン・自律神経・脳の働きの3つの観点から解説します。

  • ホルモン変動によって体のリズムが乱れる
  • エストロゲン・プロゲステロンの影響
  • 脳の自律神経と睡眠リズムの関係

体の仕組みを理解することで、「なぜこんなに眠いのか」が分かり、正しい対策をとることができます。

ホルモン変動によって体のリズムが乱れる

女性の体は、1か月の周期でホルモンバランスが変化しています。

生理周期の前半はエストロゲン(卵胞ホルモン)が増加し、気分が安定しやすく、体も軽く感じる時期です。

一方、生理前の黄体期に入ると、プロゲステロン(黄体ホルモン)が優位になり、体温が上昇して眠気やだるさを感じやすくなります。

これはホルモンの変化により自律神経が乱れ、睡眠リズム・体温調整・血流などのバランスが崩れるためです。

また、ホルモンの影響で代謝が低下し、体が「エネルギーを温存しよう」とするため、自然と眠気が強くなる傾向があります。

つまり、寝ても眠いのは「体が休息を求めている」生理的なサインであり、決して怠けや疲労ではありません。

この時期は無理をせず、体の変化に合わせて休息を意識することが大切です。

エストロゲン・プロゲステロンの影響

エストロゲンとプロゲステロンは、女性の心と体のリズムを左右する重要なホルモンです。

エストロゲンは自律神経やセロトニン(幸福ホルモン)を活性化させ、睡眠の質を高める・気分を安定させる働きを持ちます。

一方で、排卵後に増えるプロゲステロンは、体温を上げ、眠気を誘発する作用があるため、「日中の強い眠気」「だるさ」「集中力の低下」を感じやすくなります。

また、プロゲステロンには体をリラックスさせる作用があり、副交感神経を優位にするため、普段よりも体が休息モードに入りやすくなります。

このホルモンの切り替わりが急激に起こることで、一時的に睡眠リズムが乱れ、夜眠っても十分に回復できないことがあります。

さらに、ホルモン変動が精神的な不安や情緒の揺らぎを引き起こし、PMS(月経前症候群)の一部として強い眠気を感じる人も少なくありません。

こうした生理的変化を理解しておくことで、眠気を「異常」ではなく「自然な反応」と捉えることができ、無理のない対策が取れるようになります。

脳の自律神経と睡眠リズムの関係

女性の眠気には、ホルモンだけでなく自律神経の乱れも深く関係しています。

自律神経は、体温・心拍・血圧・睡眠などをコントロールする神経で、ホルモン変動の影響を強く受けます。

生理前やストレスが多い時期は、交感神経と副交感神経のバランスが崩れ、日中に眠くなったり夜眠れなくなったりすることがあります。

また、スマホやPCのブルーライト、夜更かし、カフェインの摂取なども脳を刺激し、睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌を妨げます。

結果として、長く寝ても深い睡眠が取れず、「寝ても疲れが取れない」「朝起きてもだるい」という状態に陥るのです。

自律神経を整えるためには、朝日を浴びる・深呼吸をする・ぬるめの入浴で体を温めるといった習慣が効果的です。

ホルモンと自律神経のバランスを意識的に整えることで、「寝ても眠い」を根本から改善できる可能性があります。

生理周期と眠気の関係|どの時期に強く出やすい?

女性の「寝ても眠い」は、生理周期に伴うホルモン変動と密接に関連しています。

とくに黄体期(生理前)はプロゲステロン優位となり、体温上昇と代謝の変化で強い眠気が出やすくなります。

一方で排卵期生理中も、体質やストレス、自律神経の状態によって眠気が増す人がいます。

ここでは、周期別の特徴と眠気が強く出やすいタイミングを整理し、対策の考え方を示します。

  • 生理前(黄体期)はプロゲステロンが増える
  • 排卵期・生理中に眠気を感じやすい人の特徴
  • PMS(月経前症候群)による強い眠気とだるさ

自分の周期パターンを把握し、体のリズムに合わせて生活を調整することが、根本的な改善につながります。

生理前(黄体期)はプロゲステロンが増える

排卵後の黄体期は、妊娠に備えてプロゲステロンが増え、わずかな体温上昇と代謝の変化が起こります。

プロゲステロンには鎮静作用があり、副交感神経優位になりやすいため、日中でも「ふっと眠くなる」感覚が増えます。

同時に体は水分をため込みやすく、むくみやだるさ、集中力低下が加わると、睡眠時間を確保しても疲労が取れにくく感じられます。

また、血糖変動が大きくなる人では、食後の眠気が強まり、午後のパフォーマンス低下につながることがあります。

対策としては、就寝・起床時刻を一定に保ち、朝の光曝露で体内時計を整える、こまめな補水とたんぱく質中心の間食で血糖の乱高下を抑えることが有効です。

むくみや重さが強い日は、塩分を控えカリウムを含む食品(バナナ・葉物)を意識し、ぬるめの入浴で循環を促しましょう。

排卵期・生理中に眠気を感じやすい人の特徴

排卵期はエストロゲンのピーク後にホルモンバランスが切り替わるタイミングで、敏感な人は自律神経がゆらぎ、眠気やぼんやり感を自覚します。

生理中は出血に伴う鉄の損失や体温の低下、疼痛ストレスにより睡眠の連続性が悪化し、結果として「寝ても回復しない」感覚が残りがちです。

もともと低血圧・冷えやすい・鉄欠乏傾向のある人、夜型生活やカフェイン多用の人、ブルーライト曝露が多い人は症状が強まりやすい特徴があります。

排卵期には軽い有酸素運動で交感神経を整え、夜はスクリーンタイムを減らしメラトニン分泌を妨げない工夫が役立ちます。

生理中は鉄・亜鉛・ビタミンB群を意識し、痛みが強い日は鎮痛のタイミングを前倒しにして睡眠の中断を防ぎましょう。

業務や学習は午前に集中タスク、午後はルーティンといった時間帯最適化も疲労感の軽減に有効です。

PMS(月経前症候群)による強い眠気とだるさ

PMSでは、黄体期のホルモン変動が神経伝達物質(セロトニン・GABA)に影響し、強い眠気・倦怠感・気分変動が同時に起こりやすくなります。

睡眠の浅さや入眠困難、早朝覚醒など細かな睡眠障害が重なると、総睡眠時間を確保しても質が下がり、日中の眠気が増幅します。

対処として、起床直後の朝日、就寝90分前の入浴、カフェインの午後カット、就寝前ルーティンの固定化で概日リズムを再同期させます。

栄養面では、鉄・マグネシウム・ビタミンB6・トリプトファンを補い、精製糖質のとり過ぎを控えて血糖安定を図ります。

症状が数周期以上持続し生活に支障が出る場合は、婦人科での相談により、低用量・超低用量ピル等でホルモン変動を平準化する選択肢もあります。

ストレスケアとして、短時間のマインドフルネスや軽運動を組み合わせると、自律神経の揺れを抑え、眠気とだるさの悪循環を断ち切りやすくなります。

ホルモンバランス以外の眠気の原因

「寝ても寝ても眠い」と感じるとき、そのすべてがホルモンの影響とは限りません。

女性の眠気には、貧血・低血圧・ストレス・睡眠の質の低下・慢性疾患など、他にも多くの原因が関係しています。

とくに日常的な疲れやだるさを放置すると、体の機能が低下してさらに眠気が強くなる悪循環に陥ることもあります。

ここでは、ホルモンバランス以外に考えられる代表的な3つの要因について詳しく解説します。

  • 貧血・低血圧・鉄分不足による眠気
  • ストレス・自律神経の乱れ・睡眠の質の低下
  • 隠れた病気(甲状腺機能低下症・睡眠時無呼吸症候群)

これらの要因を理解し、生活習慣や健康状態を見直すことで、慢性的な眠気を改善するヒントが見えてきます。

貧血・低血圧・鉄分不足による眠気

女性に多い貧血や鉄分不足は、眠気や倦怠感の大きな原因のひとつです。

鉄は体内で酸素を運ぶヘモグロビンを作るために欠かせない栄養素で、不足すると脳や全身に酸素が行き渡らなくなり、常に眠い・だるいと感じるようになります。

また、低血圧も脳への血流が滞るため、集中力の低下や朝起きられないなどの症状を引き起こします。

特に生理のある女性は出血によって鉄が失われやすく、慢性的な鉄欠乏状態に陥りやすい傾向があります。

鉄分を多く含む食品(レバー・赤身肉・ひじき・ほうれん草など)を意識的に摂取し、ビタミンCと一緒にとると吸収が高まります。

サプリメントを使用する場合は、自己判断ではなく医師の指導のもとで安全な量を確認しましょう。

ストレス・自律神経の乱れ・睡眠の質の低下

慢性的なストレスや緊張状態は、自律神経のバランスを崩し、眠気や疲れの原因になります。

ストレスが続くと交感神経が優位になり、寝つきが悪くなったり浅い眠りが増えたりして、十分に寝ても熟睡感が得られない状態になります。

また、スマートフォンやパソコンのブルーライト、夜更かし、不規則な食事も睡眠ホルモン(メラトニン)の分泌を妨げ、体内時計を乱します。

結果的に「寝ても疲れが取れない」「昼間に強い眠気が出る」といった症状が現れます。

対策としては、就寝前のスマホ使用を控え、ぬるめのお風呂やストレッチ、深呼吸などでリラックスを促すことが有効です。

朝日を浴びることで自律神経のリズムが整い、睡眠の質が改善されやすくなります。

眠気が強いときほど「寝る量」ではなく「睡眠の質」を意識することが重要です。

隠れた病気(甲状腺機能低下症・睡眠時無呼吸症候群)

どれだけ寝ても眠い、倦怠感が長く続く場合は、隠れた病気が原因となっていることもあります。

代表的なのが甲状腺機能低下症で、代謝を司るホルモンの分泌が減ることで、体温低下・むくみ・眠気・体重増加などの症状が現れます。

この病気は女性に多く、特に40代以降でホルモンバランスの変化と重なるケースが見られます。

また、睡眠時無呼吸症候群も近年増えており、睡眠中に呼吸が止まることで酸素が不足し、熟睡できずに日中の強い眠気が生じます。

いびきが大きい、夜中に何度も目が覚める、朝起きても疲労感が取れない人は、この可能性を疑う必要があります。

どちらの病気も血液検査や簡易検査で診断できるため、「ただの疲れ」と思わず一度医療機関でチェックすることが大切です。

生活習慣の改善では治らない眠気が続く場合は、早期の受診が安心です。

寝ても眠いときに試したいセルフケア・改善法

「寝ても眠い」「常にだるい」と感じるときは、単なる睡眠不足ではなくホルモンバランスや生活リズムの乱れが関係していることが多いです。

そのため、薬に頼る前にまずはセルフケアで体のリズムを整えることが重要です。

生理周期に合わせた過ごし方や栄養バランスの見直し、睡眠の質を高める工夫を取り入れることで、自然と体調が整い眠気が軽くなるケースも少なくありません。

ここでは、今日から実践できる効果的なセルフケア方法を紹介します。

  • ① 生理周期に合わせた生活リズムを整える
  • ② 鉄分・ビタミンB群・マグネシウムを意識的に摂取
  • ③ 軽い運動とストレッチで代謝を高める
  • ④ カフェイン・糖分・アルコールの摂りすぎに注意
  • ⑤ 睡眠の質を高めるナイトルーティンを作る

ちょっとした工夫の積み重ねで、日中の眠気や倦怠感を軽減し、毎日のパフォーマンスを取り戻せます。

① 生理周期に合わせた生活リズムを整える

女性の体はエストロゲンとプロゲステロンのバランスによって変化します。

そのため、生理周期に合わせて無理のない生活リズムを意識することが、眠気改善の第一歩です。

排卵後〜生理前(黄体期)は体温が上がり代謝が落ちやすくなるため、早寝・早起き・休息多めを心がけましょう。

逆に、生理後〜排卵期はエストロゲンが増え、心身ともに安定しやすい時期なので、活動的な予定や運動を取り入れるのがおすすめです。

こうした周期的リズムに沿った生活をすることで、自律神経とホルモンのバランスが整いやすくなり、慢性的な眠気を軽減できます。

② 鉄分・ビタミンB群・マグネシウムを意識的に摂取

鉄・ビタミンB群・マグネシウムは、エネルギー代謝や神経伝達、睡眠の質に深く関わる栄養素です。

鉄分が不足すると脳への酸素供給が減り、常に眠気やだるさを感じやすくなります。

ビタミンB群は糖や脂質の代謝を助け、マグネシウムは神経の興奮を抑え、深い眠りをサポートします。

レバーや赤身肉、豆類、ナッツ、バナナ、玄米などをバランスよく取り入れると効果的です。

また、カフェインやアルコールは鉄やマグネシウムの吸収を妨げるため、過剰摂取は控えるようにしましょう。

食事から摂れない場合は、医師の指導のもとでサプリメントを活用するのも一つの方法です。

③ 軽い運動とストレッチで代謝を高める

体がだるく感じるときほど、実は軽い運動が効果的です。

ウォーキングやヨガ、ストレッチなどの穏やかな運動は、血流を促進し自律神経を整える効果があります。

特に生理前は副交感神経が優位になり、体がリラックスモードになるため、激しい運動よりも深呼吸を意識した軽めの動きが向いています。

朝に10分のストレッチを取り入れるだけでも体温が上がり、日中の眠気を抑えやすくなります。

継続することで基礎代謝も高まり、睡眠の質が向上して「疲れが取れやすい体」に変わっていきます。

④ カフェイン・糖分・アルコールの摂りすぎに注意

カフェインや糖分、アルコールは一時的に覚醒効果がありますが、摂りすぎると睡眠リズムを乱す原因になります。

特に午後以降のコーヒーやエナジードリンクは、夜の入眠を妨げて睡眠の質を低下させる恐れがあります。

糖分の摂りすぎも血糖値の乱高下を招き、食後の強い眠気や集中力低下につながります。

また、アルコールは寝つきを良くするように感じても、深い眠りを妨げるため翌朝に疲労感が残る原因になります。

眠気対策には、代わりにノンカフェインのハーブティーや白湯を選び、体を内側から温めるのがおすすめです。

⑤ 睡眠の質を高めるナイトルーティンを作る

「寝ても眠い」を改善するには、まず睡眠の質を高めることが大切です。

就寝の1〜2時間前にはスマホやパソコンの画面を見ないようにし、脳をリラックスさせる時間を作りましょう。

ぬるめの湯での入浴や、照明を暗めにする、香りのあるアロマを取り入れるなど、副交感神経を優位にする習慣が効果的です。

寝る前のルーティンを一定にすることで、脳が「もう眠る時間」と認識しやすくなり、自然と深い眠りに入りやすくなります。

また、寝室の温度は20℃前後、湿度は50%程度が理想的です。快適な環境を整えることが、翌朝のすっきり感につながります。

体内時計を整える習慣を続けることで、眠気の根本改善が期待できます。

いつまで続く?生理前・生理中の眠気の期間

「生理前になると眠くて仕方ない」「寝ても寝ても眠気が取れない」と感じるのは、多くの女性が経験する自然な現象です。

これは生理周期にともなうホルモン変化によるもので、特に排卵後の黄体期に眠気がピークを迎える傾向があります。

ただし、眠気が長く続く場合はホルモンの乱れや貧血、ストレスなどが重なっている可能性もあります。

ここでは、眠気が強く出やすい時期や続く期間の目安、注意すべきポイントを紹介します。

  • 黄体期(排卵後〜生理前)の約1週間がピーク
  • 生理が始まると徐々に眠気が軽くなる理由
  • 長く続く場合はホルモンバランスの乱れが原因の可能性

周期的な変化を理解しておくことで、「なぜ眠いのか」を冷静に受け止め、適切な対策が取れるようになります。

黄体期(排卵後〜生理前)の約1週間がピーク

生理前に強い眠気を感じる主な時期は、黄体期(排卵後〜生理前の約1週間)です。

この期間はプロゲステロン(黄体ホルモン)が急増し、体温が上昇するとともに代謝がゆるやかになり、体が自然と「休息モード」に入ります。

プロゲステロンには眠気を誘う作用があるため、日中の活動中でも眠くなりやすく、集中力の低下や倦怠感を感じることがあります。

さらに体温上昇によって睡眠の質が低下しやすく、夜にしっかり眠っても「疲れが取れにくい」と感じる人も多いです。

この黄体期の眠気は生理が始まる前後で落ち着くことが多く、通常は5〜10日ほど続くのが一般的です。

強い眠気が1〜2週間以上続く場合は、ホルモンバランス以外の要因が関わっている可能性もあるため注意が必要です。

生理が始まると徐々に眠気が軽くなる理由

生理が始まると、体内のプロゲステロンの分泌が急激に減少します。

その結果、体温が下がり、代謝が元の状態に戻ることで、自然と眠気が軽くなっていきます。

また、生理中は子宮内膜が剥がれ落ちる過程で体内のホルモンがリセットされるため、自律神経も少しずつ安定していきます。

ただし、生理痛が強い人や貧血気味の人は、出血による鉄分不足や酸素不足で引き続き眠気やだるさを感じることがあります。

生理中に眠気が強い場合は、無理に頑張らず、可能であれば休息時間を増やし、体を温めて血行を促すようにしましょう。

体の回復が進むにつれ、眠気も徐々におさまり、エネルギーが戻ってきます。

長く続く場合はホルモンバランスの乱れが原因の可能性

生理前後の眠気は一時的なものであることが多いですが、1か月以上続く・常に強い眠気がある場合は、ホルモンバランスの乱れが原因かもしれません。

ストレス、睡眠不足、過度なダイエット、冷えなどが続くと、女性ホルモンの分泌が乱れ、エストロゲンとプロゲステロンのバランスが崩れます。

この状態が続くと、自律神経にも影響を与え、慢性的な倦怠感や眠気、イライラ、肌荒れなどが現れます。

また、貧血や甲状腺機能の低下が潜んでいるケースもあるため、「眠気が日常生活に支障をきたす」レベルで続く場合は婦人科や内科での検査をおすすめします。

ホルモンや栄養のバランスを整えることで、体のリズムが安定し、眠気も改善していくことが期待できます。

自分の体の周期を理解し、無理せず整えることが、眠気を根本から和らげる最良の方法です。

病院を受診したほうがいいケース

「生理前だから眠いだけ」と思っていても、実は体からのサインであることもあります。

一時的な眠気であれば自然におさまりますが、長期間続く・日常生活に影響する・他の症状を伴う場合は、医療機関の受診を検討することが大切です。

ここでは、注意すべき代表的な3つのケースを紹介します。

  • ① 日中の眠気で生活に支障が出ている
  • ② 生理以外でも強いだるさ・倦怠感がある
  • ③ 生理不順・無月経・貧血症状を伴う場合

「ただのホルモンのせい」と思わず、早めに専門医に相談することで、より早く安心できる状態に戻すことができます。

① 日中の眠気で生活に支障が出ている

「授業中や仕事中に眠気を我慢できない」「会話中に意識が遠のく」といった強い日中の眠気が続く場合は、注意が必要です。

生理周期の影響であっても、通常は数日〜1週間程度で落ち着くのが一般的です。

それ以上に眠気が強く続く場合は、ホルモンバランスの乱れ・睡眠時無呼吸症候群・甲状腺機能低下症などが関係していることがあります。

夜にしっかり寝ているのに眠気が取れない場合は、体内リズムが乱れていたり、睡眠の質が低下しているサインです。

婦人科や内科で血液検査・ホルモン検査を受けることで、原因を明確にすることができます。

放置せずに相談することで、体の回復を早めることができます。

② 生理以外でも強いだるさ・倦怠感がある

「生理前だけでなく、常にだるい・眠い」と感じる場合は、慢性的なホルモンバランスの乱れ自律神経の不調が関係している可能性があります。

特にストレス・不規則な生活・睡眠不足が重なると、エストロゲンとプロゲステロンの分泌が乱れやすくなります。

この状態が長引くと、PMS(月経前症候群)だけでなくPMDD(月経前不快気分障害)に発展することもあります。

また、代謝の低下による甲状腺機能の低下や、ビタミン・ミネラル不足による倦怠感の可能性も考えられます。

一時的な疲れではなく、体が「助けを求めている」サインとして早めに受診を検討しましょう。

症状を正確に伝えるために、眠気やだるさの出るタイミングを日記やアプリで記録しておくのもおすすめです。

③ 生理不順・無月経・貧血症状を伴う場合

「眠い」だけでなく、生理不順・月経が来ない・出血量が極端に少ないなどの症状を伴う場合は、ホルモン異常や婦人科系疾患の可能性があります。

女性ホルモンが乱れると排卵がうまく起こらず、生理周期が延びたり止まったりすることがあります。

また、長引く出血や重い生理によって鉄欠乏性貧血になると、脳への酸素供給が低下して眠気・めまい・動悸などの症状が現れます。

特に「顔色が悪い」「朝起きられない」「立ちくらみが頻繁に起きる」といった症状がある場合は、早急な受診が必要です。

婦人科や内科での血液検査・ホルモン検査で状態を把握し、必要に応じて鉄剤の補給やホルモン治療を行うことで改善が期待できます。

放置すると慢性的な疲労や情緒不安定につながることもあるため、早めの診断・治療が大切です。

よくある質問(FAQ)

Q1. 生理前に眠くなるのはなぜ?

生理前に眠くなる主な原因は、ホルモンバランスの変化によるものです。

排卵後から生理が始まるまでの「黄体期」は、プロゲステロン(黄体ホルモン)が増加し、体温上昇とともに副交感神経が優位になります。

このホルモンには体を休ませようとする作用があるため、日中でも眠気を感じやすくなります。

また、ホルモン変動が自律神経に影響を与え、体のリズムが乱れることで「寝ても眠い」状態が続くこともあります。

Q2. 眠気が強いときにカフェインを摂っても大丈夫?

一時的に眠気を覚ましたい場合、適量のカフェイン(コーヒー1〜2杯程度)は問題ありません。

しかし、過剰な摂取や午後以降のカフェインは、入眠を妨げて睡眠の質を低下させる原因になります。

特に生理前は自律神経が不安定なため、カフェインによって動悸・不安感・イライラが悪化することもあります。

眠気が強い時は、カフェインよりも軽いストレッチや深呼吸、15〜20分の仮眠でリフレッシュする方が効果的です。

Q3. 睡眠をとっても疲れが取れないときの対策は?

「寝ても疲れが取れない」と感じるときは、睡眠の質の低下ホルモンバランスの乱れが関係している可能性があります。

寝る前のスマホ使用を控え、ぬるめの入浴やストレッチで副交感神経を整えると、深い眠りを得やすくなります。

また、朝日を浴びて体内時計をリセットし、朝食でたんぱく質とビタミンB群を摂ることでエネルギー代謝を高めましょう。

それでも改善しない場合は、鉄分不足や甲状腺ホルモンの低下が影響している可能性があるため、検査を受けることをおすすめします。

Q4. ホルモンバランスを整える食事やサプリはある?

ホルモンバランスを整えるには、栄養バランスの良い食事が基本です。

特に、大豆イソフラボン(豆腐・納豆・豆乳など)はエストロゲンに似た作用を持ち、ホルモンの安定に役立ちます。

また、鉄・マグネシウム・ビタミンB6・ビタミンEなども、ホルモン代謝や神経の安定に欠かせません。

サプリを利用する場合は、女性ホルモン調整系やPMS改善を目的とした製品を医師や薬剤師に相談して選びましょう。

食事+適度な運動+十分な睡眠がホルモンケアの基本です。

Q5. 病院ではどんな検査を受けるべき?

眠気や倦怠感が続く場合、婦人科または内科での検査がおすすめです。

婦人科では女性ホルモン(エストロゲン・プロゲステロン)や甲状腺ホルモンの検査を行い、周期の乱れやホルモン異常を確認します。

内科では貧血・血糖値・鉄・ビタミンB12・フェリチンなどを調べ、眠気の原因となる体内の栄養不足を確認できます。

検査によって原因を特定できれば、ピルやサプリ、生活改善による適切な治療が可能です。

まとめ:「寝ても眠い」は女性ホルモンのリズムが関係している

女性の「寝ても眠い」という症状は、ホルモンのゆらぎによって起こる自然な現象であることが多いです。

特に生理前や排卵後の黄体期は、プロゲステロンの増加によって体が休息モードになり、強い眠気が現れます。

一方で、貧血・ストレス・睡眠の質の低下などが重なると、眠気が慢性化することもあります。

体のサインを無視せず、周期に合わせて生活を整えることが改善への近道です。

もし長く続く場合は、婦人科・内科での検査や相談を受け、体のリズムを整えるケアを始めましょう。

自分の体を理解し、ホルモンと上手に付き合うことで、眠気も心身の不調も穏やかにコントロールできます。

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