生理中の下痢原因と対策|PMS・ホルモンバランス・腸の関係を徹底解説

「生理が始まると毎回お腹がゆるくなる」「生理前に下痢が続いてつらい」と感じる人は少なくありません。

実は、生理中の下痢はホルモンバランスの変化や自律神経の乱れによって起こる自然な現象です。

特にプロスタグランジンという物質が子宮の収縮だけでなく腸の動きにも影響するため、便がやわらかくなったり、腹痛を伴うことがあります。

この記事では、「なぜ生理で下痢になるのか」という原因から、悪化を防ぐ生活習慣すぐできる対処法、そして病院で相談すべき症状まで詳しく解説します。

つらい生理中の下痢を少しでも軽くするために、体と腸を整える正しい知識を身につけましょう。

生理中に下痢が起こる主な原因

生理期の下痢は一時的な体の反応ですが、その背景には複数の生理的メカニズムが関係しています。

  • プロスタグランジンによる腸の過剰収縮
  • 子宮収縮の影響で腸が刺激される
  • 自律神経の乱れによる腸機能の低下
  • ホルモンバランス変化による腸内環境の乱れ
  • 冷えや血行不良による腸の働きの低下

これらの要因が重なり合うことで、生理中に腹痛や下痢といった不快な症状が現れるのです。

プロスタグランジンによる腸の過剰収縮

生理の開始前後には子宮内膜を排出するためにプロスタグランジンが増え、子宮を強く収縮させます。

しかし、この物質は子宮だけでなく腸の平滑筋にも作用し、蠕動運動を過剰に高めて便の通過時間を短縮させます。

その結果、大腸での水分吸収が不十分になり、軟便や下痢が起こりやすくなります。

プロスタグランジンの分泌量が多い人は生理痛が強い傾向があり、同時に腸への影響も強く出やすいのが特徴です。

一時的な生理現象であるものの、日常生活に支障をきたす場合は医師に相談してバランスを整えることが大切です。

子宮収縮の影響で腸が刺激される

骨盤内では子宮と腸が非常に近い位置にあるため、子宮収縮の際にその刺激が腸にも波及します。

この物理的な刺激が腸の蠕動を活発化させ、便意の増加や腹痛を引き起こすことがあります。

特に生理初期は収縮が強く、痛みや下痢が集中しやすい時期です。

姿勢を変えた瞬間や冷えを感じたときに腹痛が強まるのも、この内臓反射の影響によるものです。

腹部を温めたり、ストレッチで骨盤周囲の血流を良くすることで刺激が緩和される場合があります。

自律神経の乱れによる腸機能の低下

生理前後はホルモン変化に伴って自律神経のバランスが乱れやすくなります。

交感神経が優位になると腸の運動が抑制され、逆に副交感神経が優位になると過剰な蠕動運動が起こります。

この揺らぎが激しいと、腸の動きが安定せずに便秘と下痢を繰り返す状態になりやすいのです。

ストレスや睡眠不足もこの乱れを助長し、体調や気分の変化に合わせて便通が不安定になります。

入浴や深呼吸などでリラックスを促し、自律神経を整えることが症状の緩和につながります。

ホルモンバランス変化による腸内環境の乱れ

女性ホルモンであるエストロゲンプロゲステロンの変動は、腸の動きや腸内細菌にも影響を与えます。

ホルモンのバランスが崩れると腸内環境が変化し、ガスや膨満感、下痢を引き起こすことがあります。

特にプロゲステロンが減少する生理前後は腸の運動が不安定になり、軟便や水っぽい便が出やすくなります。

発酵食品や食物繊維を摂ることで腸内フローラを整えることが、症状の軽減に役立ちます。

ホルモンバランスを安定させる生活リズムも、根本的な改善のポイントです。

冷えや血行不良による腸の働きの低下

冷えは血管を収縮させ、腸への血流を減らして機能を鈍らせます。

これにより腸が過敏になり、少しの刺激でも便意や腹痛を感じやすくなります。

冷たい飲み物や冷房、薄着などの影響も下痢を悪化させる要因になります。

温かい飲み物やカイロ、入浴などで体を温めると、腸の動きが安定しやすくなります。

生理期は特に体を冷やさない工夫が重要で、これだけでも症状の軽減が期待できます。

生理前・生理中・生理後の便通の違い

生理周期によってホルモンのバランスや自律神経の働きが変化し、腸の動きにも大きな影響を与えます。

  • 生理前(PMS期)の特徴:便秘または軟便が交互に起こる
  • 生理中:ホルモン急変による下痢が起きやすい
  • 生理後:ホルモン回復とともに腸の働きが安定する

このように、生理周期ごとに腸の状態が変化するのは自然なことであり、体調に合わせたケアが大切です。

生理前(PMS期)の特徴:便秘または軟便が交互に起こる

生理前の黄体期にはプロゲステロン(黄体ホルモン)が増加し、腸の蠕動運動を抑える作用が強まります。

その結果、便が腸内に長くとどまり便秘やお腹の張りを感じる人が多くなります。

一方で、腸のむくみやガスがたまることで腸内圧が上昇し、逆に軟便や下痢が出る場合もあります。

このように便秘と下痢を交互に繰り返すのがPMS期の特徴で、ホルモン変化が主な原因です。

水分をしっかり摂り、食物繊維を適度に取り入れることで腸のリズムを整えやすくなります。

生理中:ホルモン急変による下痢が起きやすい

生理が始まるとプロゲステロンが急減し、プロスタグランジンが活発に分泌されます。

プロスタグランジンは子宮収縮を促す一方で、腸の平滑筋にも作用して蠕動運動を強める働きがあります。

その結果、便の通過が速まり水分吸収が不十分となって軟便や下痢になりやすくなるのです。

また、痛みや不快感による自律神経の乱れが腸を刺激し、腹痛や便意の増加を引き起こすこともあります。

温かい飲み物や腹部の保温、ストレスケアが腸の過敏反応をやわらげるポイントです。

生理後:ホルモン回復とともに腸の働きが安定する

生理が終わるとエストロゲン(卵胞ホルモン)の分泌が増加し、体調全体が回復傾向に向かいます。

この時期は腸の動きも安定し、便通が整いやすくなるのが特徴です。

血流の改善やエネルギー代謝の活発化により、消化吸収機能が正常化してお腹の張りも落ち着いてきます。

一方で、急に食欲が戻って脂質や糖分を摂りすぎると、再び腸に負担をかけるため注意が必要です。

生理後はリセット期ととらえ、腸にやさしい食生活を意識することで、次の周期も快適に過ごせます。

生理性下痢と病的な下痢の見分け方

生理による一時的な下痢と、感染症や腸疾患などによる病的な下痢は原因も対処法も異なります。

  • 周期性の有無(毎月決まって起こるか)
  • 発熱・血便・嘔吐がある場合は注意
  • 食中毒・感染性腸炎との違い
  • 過敏性腸症候群(IBS)との関連

症状のタイミングや特徴を見極めることで、自分の体の状態を正しく理解し、必要な対応を取ることができます。

周期性の有無(毎月決まって起こるか)

生理性下痢はホルモン変化に伴って発生するため、毎月生理開始前後の同じタイミングで繰り返し起こるのが特徴です。

症状は数日で自然に治まり、発熱や強い倦怠感を伴うことは少ないのが一般的です。

一方、感染や慢性疾患が原因の下痢は周期性がなく、予測できないタイミングで発症します。

「毎月生理の時だけ起こるか」「生理が終わると落ち着くか」を確認することが、見分けの大きなポイントです。

生理周期と下痢の発生が一致している場合は、ホルモンの影響によるものと考えられます。

発熱・血便・嘔吐がある場合は注意

下痢に発熱・血便・嘔吐を伴う場合は、感染性腸炎や炎症性腸疾患など、病的な原因の可能性があります。

生理性下痢ではこのような全身症状を伴うことはまれで、強い痛みや脱水を起こすこともほとんどありません。

血が混ざった便や黒っぽい便が出る、発熱が続く、体がだるいなどの症状がある場合は、早めの受診が必要です。

特に嘔吐と下痢が同時に起こる場合は、ウイルスや食中毒の可能性が高く、自己判断での市販薬の使用は避けましょう。

体調が急激に悪化するようであれば、救急外来での評価が必要なケースもあります。

食中毒・感染性腸炎との違い

食中毒や感染性腸炎では、突然の発症短期間の激しい症状が特徴です。

特定の食品摂取後に起こることが多く、数時間〜1日以内に腹痛・嘔吐・発熱を伴う下痢が発生します。

一方、生理性下痢はホルモン変動が原因であるため、食事との関連は薄く、症状も比較的軽度で一過性です。

感染性のものは家族や同居人にもうつることがありますが、生理性下痢は感染性ではないのが大きな違いです。

下痢の回数が多くても、全身症状がなければ生理性の可能性が高いと判断できます。

過敏性腸症候群(IBS)との関連

過敏性腸症候群(IBS)は、ストレスや自律神経の乱れが原因で下痢や便秘を繰り返す慢性疾患です。

特に女性では、生理周期に合わせて症状が悪化するタイプもあり、生理性下痢と重なるように見えるケースがあります。

IBSでは排便後もスッキリしない、ガスや腹部膨満感が続くなど、慢性的な腸の不調を伴うのが特徴です。

ストレスや緊張によって症状が強くなる人は、IBSが関与している可能性があります。

生理以外の時期にも下痢や腹痛が頻発する場合は、婦人科だけでなく内科や消化器科での診断を受けることが重要です。

下痢を悪化させる生活習慣

生理中の下痢はホルモンバランスの変化だけでなく、日常の生活習慣によっても大きく影響を受けます。

  • 冷たい飲み物・カフェインの摂取
  • 脂っこい食事・甘いものの過剰摂取
  • 睡眠不足・ストレスによる自律神経の乱れ
  • 鎮痛薬や便秘薬の乱用

生理期に体を冷やしたり、刺激の強い食事を続けると腸が過敏に反応し、下痢が長引いたり痛みが増す原因となります。

冷たい飲み物・カフェインの摂取

冷たい飲み物やアイスなどの摂取は、体温を下げて腸の血流を悪化させ、蠕動運動を不安定にします。

腸が冷えると消化酵素の働きが低下し、食べ物の分解が不十分なまま腸に流れることで、下痢や腹痛が起こりやすくなります。

また、コーヒー・紅茶・緑茶などに含まれるカフェインには腸を刺激する作用があり、便通を促進しすぎる場合があります。

特に生理中は腸が敏感になっているため、カフェインを多く摂取すると下痢や腹痛が悪化しやすい傾向があります。

この時期は温かい白湯やノンカフェインのハーブティーなどを選び、体を冷やさないことが大切です。

脂っこい食事・甘いものの過剰摂取

揚げ物やバター、クリームなど脂肪分の多い食事は消化に時間がかかり、腸に負担をかけます。

生理中は消化機能が低下しているため、脂質の摂りすぎは腹部膨満感や下痢の原因になります。

また、ケーキやチョコレートなどの砂糖を多く含む食品は腸内の水分バランスを崩し、便をゆるくする作用があります。

さらに、糖分過多は腸内の悪玉菌を増やして腸内環境を乱すため、下痢が治りにくくなることもあります。

生理中はできるだけ脂質・糖質を控えめにし、消化のよい食事を意識すると腸が安定しやすくなります。

睡眠不足・ストレスによる自律神経の乱れ

生理前後はホルモン変化により自律神経のバランスが乱れやすい状態です。

睡眠不足が続くと交感神経が優位になり、腸の運動リズムが不安定になって下痢を誘発します。

また、強いストレスは腸の過敏性を高め、わずかな刺激でも便意を感じやすくなります。

これは「脳腸相関」と呼ばれる現象で、心の緊張が腸の動きに直接影響を与えるためです。

就寝時間を一定に保ち、リラックスできる時間を持つことで自律神経が整い、下痢の再発を防ぎやすくなります。

鎮痛薬や便秘薬の乱用

生理痛を和らげるために鎮痛薬(NSAIDs)を頻繁に服用すると、胃腸の粘膜が刺激されて下痢を引き起こすことがあります。

特に空腹時に服用すると胃酸が増え、腸への刺激が強くなるため注意が必要です。

また、便秘が続いた際に便秘薬を過剰に使用すると腸が過剰反応し、反動で下痢や腹痛が起こることもあります。

薬を使う場合は医師の指示に従い、服用回数や量を守ることが大切です。

痛み止めや便秘薬は「使いすぎない」「飲み方を守る」が生理中の腸トラブルを防ぐポイントです。

生理中の下痢を和らげる方法

生理中の下痢はホルモンや自律神経の影響によって起こりますが、日常の工夫でかなり軽減できます。

  • お腹を温めて腸の緊張を緩める
  • 刺激の少ない食事に切り替える
  • 発酵食品や整腸剤で腸内環境を整える
  • 経口補水液で水分と電解質を補う
  • 腹部を締め付けない服装を心がける

体を温め、腸にやさしい環境を整えることで、痛みや下痢の頻度を抑えやすくなります。

お腹を温めて腸の緊張を緩める

生理中は子宮と腸の血流が低下しやすく、冷えによって腸の蠕動運動が乱れやすくなります。

お腹を温めることで腸の緊張が緩み、腹痛や便意の過剰反応を抑えることができます。

カイロや腹巻を使って下腹部を中心に温めるほか、入浴で体全体を温めるのもおすすめです。

温かい飲み物をゆっくり飲むことで、内臓からの温まり効果も期待できます。

冷えを防ぐことは、生理痛と下痢のどちらの軽減にも効果的です。

刺激の少ない食事に切り替える

生理中は胃腸が敏感になっているため、消化にやさしい食事を心がけることが重要です。

脂っこい食べ物や香辛料の強い料理、冷たい飲み物は腸を刺激して下痢を悪化させます。

おすすめはおかゆ・うどん・スープなど、温かくやわらかい食事です。

また、食物繊維の摂りすぎは腸の動きを促進してしまうことがあるため、下痢が落ち着くまでは控えめにしましょう。

「体を冷やさず、消化にやさしい」が食事選びのポイントです。

発酵食品や整腸剤で腸内環境を整える

生理中のホルモン変動は腸内細菌のバランスにも影響し、悪玉菌が増えるとガスや下痢が起きやすくなります。

ヨーグルト、納豆、味噌、キムチなどの発酵食品を取り入れることで、腸内環境を整えやすくなります。

また、乳酸菌やビフィズス菌を含む整腸剤・サプリメントを取り入れるのも有効です。

継続的に摂取することで腸の免疫バランスが整い、生理周期による腸の乱れが軽減されます。

腸内環境を整えることは、生理性下痢の根本的な改善にもつながります。

経口補水液で水分と電解質を補う

下痢が続くと体内の水分と電解質が失われ、脱水症状や倦怠感を引き起こします。

水だけではバランスが取れないため、経口補水液(ORS)やみそ汁、スポーツドリンクなどでミネラルを補いましょう。

一度に大量に飲むのではなく、こまめに少しずつ摂取するのがポイントです。

温かいスープや白湯も、体を冷やさずに水分補給できるおすすめの方法です。

脱水が続くと下痢が悪化する悪循環になるため、早めの補給を心がけましょう。

腹部を締め付けない服装を心がける

タイトなパンツやウエストのきつい服は、腹部を圧迫して腸の動きを妨げる原因になります。

特に生理中は下腹部の血流が滞りやすく、締め付けが痛みや下痢を悪化させることがあります。

リラックスできるゆったりした服装や、ゴムウエストのボトムスなどを選ぶのがおすすめです。

自宅ではお腹を温めつつ圧迫の少ない姿勢をとることで、腸の動きが落ち着きやすくなります。

「締めつけない・冷やさない・無理しない」が、生理中の快適な過ごし方の基本です。

ホルモンバランスを整える生活習慣

生理中の下痢を根本から改善するには、腸のケアだけでなくホルモンバランスの安定が欠かせません。

  • 規則正しい睡眠リズム
  • ビタミンB群・鉄・マグネシウムを意識した食事
  • 軽い運動・ヨガ・ストレッチの継続
  • 体を冷やさない服装・温かい飲み物

毎日の生活習慣を整えることで、ホルモン変化による腸の不安定さを緩和し、生理期の不調を和らげることができます。

規則正しい睡眠リズム

睡眠の乱れはホルモン分泌に大きな影響を与えます。

特に女性ホルモン(エストロゲン・プロゲステロン)は睡眠中に分泌が整えられるため、夜更かしや睡眠不足はバランスを崩す原因となります。

寝不足が続くと自律神経が乱れ、腸の働きも不安定になり、下痢や腹痛が起きやすくなります。

理想は1日7時間前後の睡眠を確保し、寝る・起きる時間を一定に保つことです。

睡眠前のスマホ使用やカフェイン摂取を控え、深い眠りを促す環境づくりを心がけましょう。

ビタミンB群・鉄・マグネシウムを意識した食事

ホルモンバランスを整えるためには、栄養バランスの取れた食事が欠かせません。

ビタミンB群はホルモンの代謝をサポートし、精神的な安定にも役立ちます。

は生理中の出血で不足しやすく、貧血だけでなく代謝やホルモン合成にも影響を与えます。

マグネシウムは筋肉の緊張をやわらげ、子宮や腸の収縮バランスを整える重要なミネラルです。

赤身肉、魚、大豆製品、ナッツ、緑黄色野菜などを積極的に取り入れると、ホルモンの働きをサポートできます。

軽い運動・ヨガ・ストレッチの継続

適度な運動はホルモンの分泌リズムを整え、ストレスを軽減する効果があります。

ウォーキングやストレッチ、ヨガなどの軽い有酸素運動は、骨盤内の血流を促進し、腸の働きも安定させます。

特に深い呼吸を伴う運動は自律神経を整え、下痢や生理痛の改善につながります。

激しい運動はかえって体に負担をかけるため、「少し体が温まる程度」を目安に続けるのがポイントです。

毎日10〜20分でも継続することで、ホルモンバランスが安定しやすくなります。

体を冷やさない服装・温かい飲み物

体の冷えは血行を悪化させ、ホルモンの働きや腸の動きを乱す大きな要因です。

冷房の効いた職場や寒い季節は、腹巻やレッグウォーマーなどで体を温めましょう。

飲み物は常温か温かいものを選び、冷たい水や氷入りの飲料は控えることが大切です。

生姜湯やハーブティーなど、体を内側から温める飲み物もおすすめです。

「冷やさない習慣」を身につけることで、ホルモンの働きが整い、生理時の下痢や腹痛が軽減されやすくなります。

医療機関で相談すべきケース

生理中の下痢は多くの場合一時的で自然に治まりますが、症状が長引いたり強い痛みを伴う場合は注意が必要です。

  • 下痢が1週間以上続く場合
  • 血便・黒色便が出る場合
  • 夜間や就寝中に下痢が起こる場合
  • 生理以外の時期にも頻発する場合

これらの症状があるときは、感染症や腸の病気、婦人科系疾患が隠れている可能性があるため、早めに受診することが大切です。

下痢が1週間以上続く場合

通常の生理性下痢は、生理開始から2〜3日ほどで自然に落ち着きます。

しかし、1週間以上症状が続く場合は、ホルモン以外の要因(感染性腸炎、過敏性腸症候群など)が関与している可能性があります。

特に体重減少や食欲不振を伴う場合は、腸の炎症や吸収障害を起こしていることもあるため注意が必要です。

水分を摂っても改善しないときは、脱水や電解質の乱れが進む前に受診を検討しましょう。

我慢せず、症状の持続日数を目安に早期の医療相談を行うことが安心です。

血便・黒色便が出る場合

便に血が混ざる・黒っぽい色になる場合は、胃腸からの出血を示していることがあります。

これは生理性下痢ではなく、消化管出血・潰瘍・炎症性腸疾患などのサインである可能性があります。

また、黒色便(タール便)は上部消化管からの出血の可能性があり、早急な検査が必要です。

便の色や状態を記録し、受診時に医師へ伝えると診断の助けになります。

放置すると貧血や強い腹痛を伴うこともあるため、早めの受診が重要です。

夜間や就寝中に下痢が起こる場合

夜間や寝ている間に強い便意や下痢で目が覚める場合は、病的な腸の過活動が疑われます。

生理性下痢では通常、夜間の下痢はほとんど起こらず、日中の活動中に症状が出るのが一般的です。

寝ている間にも下痢が続く場合、感染や炎症による腸の異常が関与していることがあります。

また、腸の慢性的な炎症(潰瘍性大腸炎など)の初期症状である可能性もあるため、早期の診察が推奨されます。

夜間の便意が続く場合は、婦人科よりも消化器内科での精密検査を受けることが適切です。

生理以外の時期にも頻発する場合

生理に関係なく下痢や腹痛が繰り返される場合は、過敏性腸症候群(IBS)や慢性腸炎などの可能性があります。

特にストレスや緊張で下痢が悪化する人は、脳腸相関による機能性の腸トラブルが関係していることもあります。

また、子宮内膜症などの婦人科疾患でも、生理周期に関係なく下痢が起きるケースがあります。

症状が長期化している場合は、婦人科と内科の両方で検査を受けることで原因を特定しやすくなります。

「生理だから仕方ない」と放置せず、周期に関係なく続く下痢は一度医療機関で確認しましょう。

婦人科・内科での主な治療法

生理中の下痢が生活に支障をきたす場合は、婦人科や内科での治療によって症状を和らげることが可能です。

  • 低用量ピルでホルモン変動を抑える
  • 体質に合わせた漢方薬(当帰芍薬散・桂枝茯苓丸など)
  • 整腸剤や自律神経調整薬の併用
  • 過敏性腸症候群(IBS)の治療も検討

原因がホルモン由来か、腸機能の乱れかを見極め、それぞれに合った治療を行うことで根本的な改善を目指します。

低用量ピルでホルモン変動を抑える

低用量ピルは、生理周期を安定させてホルモンの急激な変動を抑える治療法です。

プロスタグランジンの分泌を抑えることで、子宮や腸の過剰な収縮を防ぎ、生理痛や下痢を軽減する効果があります。

また、PMS(月経前症候群)や貧血、生理不順の改善にも有効とされています。

内服を続けることでホルモンリズムが整い、毎月の腹痛・下痢・気分変動が落ち着くケースが多いです。

ただし、体質や持病によっては使用が難しい場合もあるため、医師と相談のうえで適切なピルを選択しましょう。

体質に合わせた漢方薬(当帰芍薬散・桂枝茯苓丸など)

漢方薬は、冷えや血行不良、ストレスなど体質に根ざした不調を改善する治療法です。

生理性下痢には、体のタイプに応じて以下のような漢方が用いられます。

当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん):冷えや貧血傾向があり、むくみやだるさを感じやすい人に。

桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん):血流が滞りやすく、生理痛や腹部の張りを伴う人に。

漢方はホルモンや自律神経のバランスを整えながら、体質改善を目指す治療法として婦人科で広く処方されています。

冷えや便通の不安定さが慢性化している人にも効果的です。

整腸剤や自律神経調整薬の併用

腸の働きが不安定な場合は、整腸剤・消化管機能調整薬を用いて腸内環境を整える治療が行われます。

乳酸菌・ビフィズス菌を補うタイプの整腸剤は、腸の炎症を抑えて便の性状を安定させる効果があります。

また、ストレスや自律神経の乱れが原因で下痢が起きている場合は、自律神経調整薬(安定剤や抗不安薬)を併用することもあります。

これらの薬はホルモン治療と併用でき、症状に合わせた柔軟な治療が可能です。

生活習慣の改善とあわせて行うことで、再発を防ぐ効果も高まります。

過敏性腸症候群(IBS)の治療も検討

生理に関係なく下痢や腹痛が続く場合は、過敏性腸症候群(IBS)の可能性もあります。

IBSの治療では、腸の過敏性を抑える薬や、腸内環境を整える薬が用いられます。

また、ストレスが引き金となる場合が多いため、心理療法・カウンセリングを併用することもあります。

婦人科と消化器内科の両方で連携し、ホルモンと腸の両側面から治療することで効果が高まります。

自己判断での市販薬使用では根本改善が難しいため、医師の診断に基づく治療が安心です。

よくある質問(FAQ)

Q1. 生理のたびに下痢になるのは病気ですか?

生理のたびに下痢が起こる場合でも、ほとんどはホルモン変動による生理性下痢で病気ではありません。

プロスタグランジンの分泌増加により腸が刺激され、便がやわらかくなるのは自然な反応です。

ただし、症状が1週間以上続く・血便がある・夜間も下痢が起きるといった場合は、腸炎や過敏性腸症候群などの可能性もあります。

周期性がなく不定期に下痢が起きる場合は、一度内科や婦人科で相談してみましょう。

Q2. 生理前に下痢が起きるのは普通?

はい、生理前(PMS期)に下痢や軟便が起こるのはよくあることです。

この時期は黄体ホルモン(プロゲステロン)の影響で腸の動きが一時的に不安定になり、水分代謝も乱れます。

その結果、便秘と下痢を交互に繰り返す人も少なくありません。

生理が始まるとホルモンがリセットされるため、多くは自然に改善します。

PMS期の食生活や睡眠を整えることで、症状を軽減することが可能です。

Q3. ピルを飲むと下痢が改善する?

低用量ピルを服用することでホルモン変動を抑え、プロスタグランジンの分泌を安定させることができます。

そのため、生理痛や下痢などの月経随伴症状が改善するケースも多く見られます。

また、ピルには周期を整える作用もあるため、PMSやホルモンバランスの乱れが原因の腸トラブルにも有効です。

ただし、合わない種類を飲むとむくみや頭痛が出ることもあるため、必ず医師の指導のもとで選びましょう。

服用を始めて2〜3か月で体が慣れ、徐々に症状が落ち着くことが多いです。

Q4. 下痢止め薬を飲んでも大丈夫?

軽度の下痢であれば一時的に市販の下痢止め薬を使用しても問題ありません。

ただし、生理性下痢はホルモン変化による一時的な現象のため、薬で完全に止める必要はないケースが多いです。

発熱・血便・強い腹痛を伴う場合は感染性腸炎の可能性があるため、自己判断での服薬は避けましょう。

頻繁に使用するよりも、体を温めたり食事内容を見直したりして腸の負担を減らすことが先決です。

不安な場合は医師に相談し、安全な服用タイミングや薬剤を確認するのがおすすめです。

Q5. 生理中の下痢で食べてはいけないものは?

生理中の下痢を悪化させる食べ物として、冷たい飲み物・脂っこい料理・乳製品・辛いものなどがあります。

これらは腸を刺激して蠕動を活発にし、便がゆるくなる原因になります。

また、カフェインを多く含むコーヒーや緑茶も腸を刺激するため控えめにしましょう。

一方、温かいスープやおかゆ、うどんなど消化のよい食事は腸を落ち着かせます。

「冷やさない・脂質を控える・刺激を避ける」を意識することで、下痢を防ぎやすくなります。

Q6. 生理中の下痢で体重が減るのは問題?

生理中は水分代謝の変化や便通の増加により、一時的に体重が減ることがありますが、これは自然な範囲内です。

ただし、1週間以上続く下痢や脱水を伴う場合は、体に負担がかかっているサインです。

体重の急激な減少、めまい、ふらつきなどを感じた場合は早めに受診してください。

生理後に食事と水分が戻れば、体重も自然に回復します。

無理なダイエット中に生理性下痢が重なると栄養不足になりやすいため、十分な休息と栄養補給を心がけましょう。

まとめ:生理中の下痢はホルモンと腸の関係を理解すれば防げる

生理中の下痢は、プロスタグランジンやホルモン変動による腸の過敏反応が原因で、多くの場合は自然な生理現象です。

生活習慣の見直しや体を温める工夫、腸にやさしい食事を意識することで症状は軽減できます。

症状が強い・長引く場合は婦人科や内科で相談し、ピルや漢方などでホルモンバランスを整える治療を検討しましょう。

「冷やさない・無理しない・整える」を意識すれば、生理期も快適に過ごすことができます。